粥占(読み)かゆうら

日本大百科全書(ニッポニカ)「粥占」の解説

粥占
かゆうら

その年の吉凶を占う年占(としうら)の一種。多くは正月15日の小正月(こしょうがつ)にみられ、作物の豊凶を占うことが一般的である。先端をいくつかに割った箸(かゆばし)などとよばれる木の棒を粥に入れてかき回し、そこに付着した米粒の数によってその年の豊凶を占うのである。また、12本すなわち月の数の竹筒を粥の中に入れて作を占ったり、早稲(わせ)、大麦、大豆(だいず)などという品目を定めた筒に入った粥の量によって植え付ける作柄を決めたりする。かつてはムラ、小字(こあざ)や組そして近隣の家々など共同で行われていたものと思われるが、最近は急速に衰退してしまった。そのおもかげが粥占神事とか筒粥神事として神社行事に残されている。

[佐々木勝]

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百科事典マイペディア「粥占」の解説

粥占【かゆうら】

小正月に粥をたき,かきまぜる棒に付着した米粒の多少で農作物の豊凶を占うもの。粥試(かゆだめし),管試(くだだめし)などといい,神社で行うものを粥占神事,筒粥(つつがゆ)神事という。もと村落共同の行事であったが,各家庭で行われるようになってすたれ,神社の神事として残った。
→関連項目占い年占八十八夜

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精選版 日本国語大辞典「粥占」の解説

かゆ‐うら【粥占】

〘名〙 小正月などに、粥に竹筒や茅を入れて炊き、筒の中にはいった飯粒やおもゆの量によってその年の農作物の豊凶や月々の天候を占うこと。管粥(くだがゆ)。筒粥(つつがゆ)粥占の神事。粥だめし。粥占祭。《季・新年》
※俳諧・誹諧通俗志(1716)時令「粥占 十五日 恩知平岡」

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デジタル大辞泉「粥占」の解説

かゆ‐うら【×占】

年占としうらの一。正月15日に粥を作るとき、粥の中に粥掻き棒や竹を入れ、それについたり入ったりした米粒の量で一年の豊凶を占う。農家の小正月の行事、神社の神事として行われる。 新年》

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「粥占」の解説

粥占
かゆうら

正月 15日,小豆粥をつくるときに行う神事。竹筒やカヤなどを入れて粥を炊き,その管に入った米粒または小豆の数によって,その年の五穀の豊凶を占う。

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世界大百科事典 第2版「粥占」の解説

かゆうら【粥占】

粥を用いた占い。小正月の1月15日の粥で行うのが普通で,粥杖の先を十文字に割り,粥をかきまわしたときにはさまる粥の量で作柄を占う。粥の中に入れたを粥杖でつき,はさめたら豊作とするという方法もある。九州地方には,粥を取っておき,その変化で占う風習がある。1月15日の夜,粥を一杯,器に取り,翌朝の粥のかたまり具合で,一年の運を占う。1月14日の夕刻,粥をに盛り,2月1日に,そのかたまり方や,かびの様子を見て,豊作かどうかを判断する,お粥試しの神事もある。

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世界大百科事典内の粥占の言及

【年占】より

…福岡筥崎(はこざき)宮の玉せせり,岡山西大寺の会陽(えよう),山形羽黒山の松例祭など,祭事として残っている。しるしで見る形式には粥占(かゆうら),豆占,炭占などがある。粥占は小正月の夜に粥を炊いて神供とし,これに竹管やわらしべを差し入れて,それに付着する粥の量や形状によって豊凶を判断するもので,神社に筒粥神事などとして伝わっている。…

※「粥占」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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