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神経芽細胞腫 しんけいがさいぼうしゅneuroblastoma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

神経芽細胞腫
しんけいがさいぼうしゅ
neuroblastoma

幼児期の悪性腫瘍のうち,網膜芽細胞腫に次いで多いもの。先天性悪性腫瘍ともいわれる。副腎髄質から生じるものが最も多いが,後腹膜縦隔後部にも発生する。早期に肝,肺,骨髄,皮膚などに転移を起す。細胞は未熟な神経細胞 (ニューロン) で,細胞内に神経分泌顆粒があり,血中にアドレナリンを出す。この代謝産物 (VMA) を測定して,診断に役立てる。現在はほとんどの自治体で,生後6ヵ月の幼児を対象に検尿によってこの測定検査を行なっている。治療は外科的手術が第一であるが,腫瘍細胞自体が分化成熟して非悪性に変ったという報告や,腫瘍が突然退縮したという報告もある。

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デジタル大辞泉の解説

しんけいがさいぼう‐しゅ〔シンケイガサイバウ‐〕【神経芽細胞腫】

神経芽腫

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家庭医学館の解説

しんけいがさいぼうしゅ【神経芽細胞腫 Neuroblastoma】

[どんな病気か]
 乳幼児のおもに腹部や縦隔(じゅうかく)、まれには頭蓋内(ずがいない)や頸部(けいぶ)の、神経系組織から発生する悪性腫瘍(あくせいしゅよう)です。
 この腫瘍は、早期から転移しやすく、骨、骨髄(こつずい)、肝臓、皮膚などへの転移症状から発見されることもあります。
[症状]
 元気がない、顔色が悪い、原因不明の発熱、腹部の腫(は)れ、筋力低下、下肢(かし)まひ、難治性下痢(げり)などがみられます。
[治療]
 摘出(てきしゅつ)手術、化学療法放射線療法などが行なわれます。
 乳児健診(6か月)の際のマススクリーニングテストで発見された場合は、一般に予後は良好です。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

神経芽細胞腫
しんけいがさいぼうしゅ

神経芽腫ともよばれ、頻度の高い小児の腹部悪性腫瘍(しゅよう)である。多くは後腹膜にある副腎(ふくじん)の髄質から発生し、悪性度も高い。肝、骨髄、骨、眼窩(がんか)、皮膚などによく転移するが、骨や眼窩への転移は予後不良である。他の小児悪性腫腸の治療成績が近年飛躍的に向上しているなかで、この腫瘍は平均して30%程度の治癒率しかあげられていない。治療成績をよくするには早期発見がもっとも望ましく、最近では全国で尿検査を乳児健康診断のなかに組み込むようになり、効果をあげている。神経芽細胞腫はまれに頸(けい)部、縦隔、仙骨部などに発生し、副腎外神経芽腫とよばれ、副腎原発に比べて予後は良好である。また、肝や皮膚転移、1歳以下の患者の予後もよく、本腫瘍の特性である。治療には、手術による腫瘍の完全摘出、癌(がん)化学療法、放射線治療の三者が必要であるが、1歳未満の初期神経芽腫には化学療法、放射線治療が省略されることもある。[戸谷拓二]

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世界大百科事典内の神経芽細胞腫の言及

【小児癌】より

…これは成人型の慢性白血病に比して一般に急性白血病に似た経過をとる。白血病(2)神経芽腫,神経芽細胞腫neuroblastoma 副腎の皮質や腹部,傍縦隔の交感神経節から発生する神経細胞の癌。腹部に出るものが多いので,腹部に硬い腫瘤を触れることができる。…

※「神経芽細胞腫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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