神門寺(読み)かんどじ

日本歴史地名大系 「神門寺」の解説

神門寺
かんどじ

[現在地名]出雲市塩冶町

塩冶えんや町の中央南部にあり、天応山と号し、浄土宗本尊阿弥陀如来。光仁天皇勅願所で、天応元年(七八一)創立という。神門寺というのは「出雲国風土記」の神門臣が造った新造院がこのあたりにあったためかと思われる。新造院の塔礎石とされるものが残る。弘法大師がここで「いろは歌」を作ったということから、いろは寺ともいわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「神門寺」の意味・わかりやすい解説

神門寺
かんどじ

島根県出雲(いずも)市塩冶(えんや)町にある浄土宗の寺。山号は天応山(てんおうざん)。一般に「いろは寺」という。寺伝によると、天平(てんぴょう)年間(729~749)行基(ぎょうき)がこの地を訪れ草庵(そうあん)を構えた。ついで781年(天応1)光仁(こうにん)天皇が国の護(まも)りの祈願出雲大社において行ったとき、夢告があり当寺を創建したという。開山は宋肇菩薩(そうじょうぼさつ)、空海を第3世とする。もと真言宗であったが、第55世住心のとき源空の教戒により浄土宗に改宗した。伝行基作の阿弥陀如来(あみだにょらい)像、空海筆の伊呂波歌(いろはうた)などがある。

清水 乞]

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