福良村(読み)ふくらむら

日本歴史地名大系 「福良村」の解説

福良村
ふくらむら

[現在地名]郡山市湖南町こなんまち福良ふくら

三代みよ村の北西、猪苗代湖南岸に流入するすげ川中・下流域平地と後背山地に立地。赤津あかつ村から三代村を経て中通りに至る白河街道の宿駅。北部にあるつる山・かめ山にちなみ福浦ふくうらと称し、のち福良と改めたという(新編会津風土記)。天正一二年(一五八四)三月九日の紀年銘がある千手せんじゆ院棟札に「福良郷」とみえる。同一九年蒲生氏郷が天下一の茶碗焼楽常慶を会津に下向させた際、「ふくら」村に伝馬二疋の出役を命じており、この頃にも伝馬宿駅とされていた(同年一一月二一日「町野長門伝符状」楽美術館蔵)。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録に福浦浜とみえ、高二千六二九石余、蔵入地。以降会津藩領で福良組に属した。文化一五年(一八一八)の村日記では高二千九〇六石余。「新編会津風土記」によれば代官所が置かれ、福良組と会津郡原組を支配した。


福良村
ふくらむら

[現在地名]小山市福良

鬼怒川西岸にある。村域は南北に細長く、南は中河原なかがわら村、西は高橋たかはし村。南北に日光東街道、東西に水戸と上州とを結ぶ道が通る。中世当地は結城氏の支配下にあり、また高椅たかはし神社とも深く結び付いていた。享禄四年(一五三一)九月九日の某安堵状(高椅神社文書)では、結城政直(政勝)と推定される人物により高橋・福良両村のうち三六〇貫文の土地が高椅神社に安堵された。天正一三年(一五八五)五月七日の某朱印状(同文書)では結城晴朝と推定される人物が、当地などに対し高椅神社造営以外の勧進を禁止している。天文二五年(一五五六)二月一五日の結城政勝書下状(称名寺文書)には、称名しようみよう(現茨城県結城市)の門徒として当地の法光坊がみえる。

慶安元年(一六四八)の徳川家光朱印状(県立文書館蔵)では「下総国結城郡福良村」の宝蔵坊(現福城寺)に結城本郷内の朱印地五石が安堵されている。慶安郷帳では下野国都賀つが郡として村名がみえ、田方五一〇石余・畑方九九〇石余、幕府領。寛文四年(一六六四)の久世広之領知目録(寛文朱印留)では下総国結城郡内一四ヵ村に属し、老中久世大和守領で、同九年まで続く。元禄九年(一六九六)に検地が実施されて上下に分郷し、同年旗本中西領(上福良村)と同一〇年に旗本山下領(下福良村)とに分れた。ただし元禄郷帳では幕府領と中西氏の二給。元禄一四年の下福良村検地帳(田中米子文書)によれば高九三石余、田一町六反余・畑一〇町一反余・屋敷一町八反余。


福良村
ふくらむら

[現在地名]臼杵市福良 東福良ひがしふくら・福良・平清水ひらそうず二王座におうざ 上塩田かみしおた市浜いちはま 千代田ちよだ

仁王座におうざ村の西、臼杵川の下流右岸に位置する。慶長一一年(一六〇六)の惣御高頭御帳に村名がみえ、高二三四石余、村役人として又左衛門・甚介を記す。同帳では仁王座村組(野村組とも傍記される)に属するが、寛永一一年(一六三四)の郷村高付帳(臼杵藩政史料)では左津留村組に所属。のち海添組に属した(万用集)。正保二年(一六四五)の稲葉能登守知行高付帳では高二二九石余(田方一〇六石余・畑方一二二石余)、うち本高二〇六石余・出来高二三石余。


福良村
ふくらむら

[現在地名]宿毛市小筑紫こづくし町福良

小尽こづくし村の東南、小筑紫港に流入する福良川下流の村。「土佐州郡志」は「東限石原界地蔵堂、西限小尽、南限弘見界潮干潟加牟登宇岩之本、北限川、東西十二町南北三町、其土多砂」と記す。応徳二年(一〇八五)一一月一二日付福良専当外二名連署堺定書(安芸文書)に「ふくらのせんたう」がみえ、当地五社ごしや大明神社再興の永徳三年(一三八三)の棟札に「大檀那惟宗長忠」の名がみえる。


福良村
ふくらむら

[現在地名]砥用町豊富とよとみ 福良・今村いまむら塩井平しおいびら吉君よしぎみ

桑津留くわづる村の北にあり、西部を緑川、北部をつつ川が流れる。筒川の対岸に甲佐平こうさびら村、西に古閑こが村、東には竹迫たけのさこ村がある。慶長国絵図に村名がみえ、正保郷帳によると高一五一石一斗余、うち田方三三石七斗余・畠方一一七石三斗余。砥用手永に属し、「国誌」に「吉君村今村塩井平村津田村等ノ小村アリ」とみえるが、津田は津留の誤りであろう。


福良村
ふくらむら

[現在地名]大分市福良

宮尾みやお村の東にあり、西は吉野よしの川上流、東は中臼杵なかうすき川の上流に挟まれる山間を占める。江戸時代を通じて臼杵藩領で、慶長一一年(一六〇六)の惣御高頭御帳に村名がみえ高四二五石余、吉野組。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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