日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャーウッド」の意味・わかりやすい解説
シャーウッド
しゃーうっど
Robert Emmet Sherwood
(1896―1955)
アメリカの劇作家。ニューヨーク生まれ。ハーバード大学在学中に第一次世界大戦が起こったため中退。カルタゴの将軍ハンニバルのローマ進撃を扱った喜劇『ローマへの道』(1927)でデビューしたあと、第二次世界大戦勃発(ぼっぱつ)をめぐるさまざまな人間の反応を描いた『愚者の喜び』(1936)などの作品を通じて戦争批判の姿勢を示した。そのほか、激動する社会状況のもとで挫折(ざせつ)する人間をメロドラマ風に描いた『化石の森』(1935)、ロシアのフィンランド侵略と自由主義思想の関係を扱った『夜はもうこない』(1940)、青春時代のリンカーンを描いた『イリノイ州時代のリンカーン』(1938)を発表。ほかに伝記『ルーズベルトとホプキンズ』(1948)、アカデミー脚本賞を受けたW・ワイラー監督の映画『我等(われら)の生涯の最良の年』(1946)のシナリオがある。ピュリッツァー賞を四度受賞している。
[有賀文康]
『村上光彦訳『ルーズヴェルトとホプキンズ』全2巻(1957・みすず書房)』