デジタル大辞泉 「空しい」の意味・読み・例文・類語 むなし・い【▽空しい/▽虚しい】 [形][文]むな・し[シク]1 空虚である。内容がない。「―・い言葉」2 無益である。むだである。かいがない。「―・く時が過ぎる」「奮闘―・く敗退する」3 かりそめである。はかない。「―・い世の中」4 (「己をむなしゅうする」などの形で)我欲・先入観などを捨てる。「心を―・くして対処する」→己を虚しゅうする5 事実無根である。根拠がない。「―・しき事にて人の御名やけがれむ」〈源・少女〉6 死んで魂がない。「跡の妻子共、今一度―・しき貌かたちをもさこそ見度く思ふらめとて」〈太平記・一六〉[派生]むなしさ[名][類語]はかない・虚無 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「空しい」の意味・読み・例文・類語 むなし・い【空・虚】 〘 形容詞口語形活用 〙 [ 文語形 ]むなし 〘 形容詞シク活用 〙① 中に物がない。そこにあるべきものがない。空虚である。内容がない。→空しくする。[初出の実例]「乾政官の大臣には敢て仕へ奉るべき人無き時は、空久(むなしク)置きてある官にあり」(出典:続日本紀‐天平宝字四年(760)正月四日・宣命)② 事実無根である。根拠がない。[初出の実例]「むなしき事にて、人の御名やけがれん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)③ 頼るに足る確かなものではない。かりそめである。はかない。[初出の実例]「世の中は牟奈之伎(ムナシキ)ものと知る時しいよよますます悲しかりけり」(出典:万葉集(8C後)五・七九三)④ いたずらに経過する。ある行為や事柄の効果が現われない。かいがない。[初出の実例]「大夫(ますらを)や 无奈之久(ムナシク)あるべき」(出典:万葉集(8C後)一九・四一六四)⑤ 死んで魂がなくなっている。命がない。→空しくする・空しくなる。[初出の実例]「むなしき御骸(から)を見る見る、猶おはする物と思ふがいとかひなければ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)空しいの派生語むなし‐さ〘 名詞 〙 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例