日本大百科全書(ニッポニカ) 「竺仙梵僊」の意味・わかりやすい解説
竺仙梵僊
じくせんぼんせん
(1292―1348)
鎌倉末期の臨済(りんざい)宗の来朝僧。中国、明州(浙江(せっこう)省)の人。俗姓は徐(じょ)氏。古林清茂(くりんせいも)(1262―1329)の法を嗣(つ)ぎ、1329年(元徳1)明極楚俊(みんきそしゅん)とともに来朝。北条高時(ほうじょうたかとき)の命で鎌倉の浄妙寺(じょうみょうじ)に住した。室町時代に入ると足利尊氏(あしかがたかうじ)・直義(ただよし)の帰依(きえ)を受け、鎌倉の浄智寺(じょうちじ)、三浦の無量寺(むりょうじ)、京都の南禅寺、鎌倉の建長寺に歴住し、1348年(正平3・貞和4)7月16日示寂。『竺仙和尚(わじょう)語録』『法語』『円覚経註(ちゅう)』などを撰(せん)した。
[中尾良信 2017年2月16日]