米子市（読み）ヨナゴシ

デジタル大辞泉

よなご‐し【米子市】

⇒米子

出典　小学館

日本歴史地名大系

米子市
よなごし

面積：九九・四六平方キロ（境界未定）

鳥取県西部、弓浜半島を挟んで北は美保（みほ）湾、西は中海に面する。北東部は西伯（さいはく）郡日吉津（ひえづ）村、東は同郡淀江（よどえ）町・大山町、南は同郡岸本（きしもと）町・会見（あいみ）町・西伯町、西は島根県安来（やすぎ）市・能義（のぎ）郡伯太（はくた）町、北西は半島の北半部を占める境港市と接する。市域東部は大山丘陵裾部が東から走り、南部西寄り部分は法勝寺（ほつしようじ）川沿いの小丘陵が北に連なる。市域の大部分は東部を北流する日野川とこれに南部から合流する法勝寺川による沖積平野、および日本海に突出する弓浜半島南半部の平地が占める。日野川平野・法勝寺川平野がまず形成され、現在の市中心部は弥生時代以後形成された弓浜半島砂洲の基部に発達していったとみられる。南西端島根県境に発する加茂（かも）川は北東へ流れて長砂（ながすな）地内で新加茂（しんかも）川と旧加茂川に分流、ともに市中心部を西流して中海に注ぐ。日野川・法勝寺川から取水する人工用水路米（よね）川・新開（しんかい）川は、北西流して弓浜半島部を潤している。東部は大山山麓から流れ出た佐陀（さだ）川が精進（しようじん）川を合せて北へ流れる。市域を東西にJR山陰本線が横断し、米子駅から北西へJR境線、伯耆大山駅から南へJR伯備線が分岐する。山陰本線北側を国道九号が東西に通り、市中心部から南へ国道一八〇号、南東へ国道一八一号が分れる。北東部で国道九号から分岐する国道四三一号（一部未開通）が弓浜半島北側を境港市方面へ進み、九号南側には米子バイパスが建設された。北西端境港市にかけて米子空港があり、市域は県西部の交通の中心をなす。

米子の地名は火山灰性の細砂地形からきたともされるが定説を欠く。「伯耆民談記」には当地に移ってきた粟島（あわしま）の長者の子が子供がないのを悲しみ神仏に祈ったところ、八八歳の時に初めて子供に恵まれ、その子孫が繁栄したことから八十八の子が転じ米子の地名が生れたという伝説を記す。また米子の旧名は加茂と称したともいわれ、現加茂町二丁目にある賀茂神社天満宮（旧加茂大明神）にちなむとされる。「家久君上京日記」には天正三年（一五七五）六月二一日島津家久一行が尾高（おだか）城下を過ぎて「よなこといへる町に着、予三郎といへるものゝ所に一宿」したとあり、これが米子の地名のみえる早い時期の史料であろう。

〔原始・古代〕

遺跡はおもに東・南部に多く分布する傾向にあり、沖積地を見下ろす丘陵地が生活立地に適していた。最も古い遺物は南部の奈喜良（なぎら）遺跡出土の有舌尖頭器で、縄文草創期にさかのぼる。明確な居住遺跡の出現は東部の大山山麓部の上福万（かみふくまん）遺跡で、縄文時代早期になってみられる。

米子市
よなごし

２００５年３月３１日：米子市と西伯郡淀江町が合併
⇒【淀江町】鳥取県：西伯郡
⇒【米子市】鳥取県

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

米子〔市〕
よなご

鳥取県北西部，中海および美保湾に臨む市。 1927年市制。 1953年尚徳村，五千石村，1954年彦名村など8村，1956年春日村，1968年伯仙町をそれぞれ編入。 2005年淀江町と合体。米子平野の大半と弓ヶ浜砂州の南半部を占める。砂州内側では縄文・弥生時代の遺物を出土し，東部には条里制遺構も残存。中心市街地は慶長6 (1601) 年中村氏が久米城 (米子城) に移封，以来 18万石の城下町として発展。海陸交通の便に恵まれ，木材，木綿などの集散地として栄えた。明治中期以降は鉄鋼，製糸業を中心に商工業都市となり，現在は中海新産業都市の中核として，食品，木材，製糸，機械，鉄鋼，金属などの工業が盛んである。農村部では米，ネギ，タバコなどを栽培。福市遺跡，青木遺跡，岩屋古墳，鳥取藩台場跡は史跡に指定されている。大山 (だいせん) の観光基地で，海岸部に皆生温泉がある。 JR山陰本線，伯備線，境線のほか国道9号線，431号線などが通じ，米子自動車道のインターチェンジがある。面積 132.42km²。人口 14万7317（2020）。

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