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米櫃 こめびつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

米櫃
こめびつ

各家庭で糧米を入れておく容器。地方によってカラト,ゲビツ,ケシネビツ,ハンドガメ,リロウビツ,リョウマイビツなどと呼ばれたが,現在では全国的に米櫃という呼称が用いられている。かつて,特に農村では自給自足的な生活をしており,食生活を司る主婦の才覚が重要な意味をもっていた。米櫃の管理は主婦の権限のうちにあり,食事の支度は嫁にさせても飯米だけは主婦がはかって渡すという習俗は,近年まで各地で行われていた。

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デジタル大辞泉の解説

こめ‐びつ【米×櫃】

白米を入れて保存しておく箱。
生計のもととなるもの。生活費の稼ぎ手

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大辞林 第三版の解説

こめびつ【米櫃】

家庭で米を入れておく箱。
(俗に)生活費を得るもととなるもの。また、一家の稼ぎ手。

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

こめびつ【米櫃】

米を入れておく容器。かつては木製であったが、現在はプラスチック製も多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

米櫃
こめびつ

精製米を一時貯蔵しておくための容器。「櫃」は古代から食物、衣類、武具などを収納する具を表し、なかでも唐櫃(からびつ)は食料品を貯蔵したり、あるいは収納して運搬する場合に常用され、中世以降になると、小袖(こそで)櫃のように用途別に名称が付されるようになって多様な展開を示した。同様にこの唐櫃から派生した米櫃も、とくに近世に入ってから当用の貯蔵のものとして普及し始めた。弥生(やよい)時代にはすでに土製の甕(かめ)が米櫃として使われていたが、その後、長持形の箱や樽(たる)、桶(おけ)などのいろいろなものが使用されるようになった。とくに規格はないが、一般に横型の2斗(約36リットル)入りから2升(約3.6リットル)入りのものが好まれ、白木製や塗り物もあった。地方によって呼称が異なり、江戸時代中期の『物類称呼(ぶつるいしょうこ)』には、江戸周辺で「こめびつ」、京都では唐櫃の音便変化から「からと」、大坂・堺(さかい)周辺では「げぶつ」、仙台周辺では「らうまいびつ」と記されている。また庶民の生活に密着するにつれ、「米櫃は物淋(さび)しく」「夕に米唐櫃をかすり、朝に薪(まき)絶えて」などというように、生活のシンボルともなって貧富を表現するまでになった。明治時代以降も常用され、昭和30年代まではおもに木製に加えてブリキ製のものが使用されたが、パンなどの粉食の普及とともにやや廃れた。現在では、中の量が見えて蓋(ふた)を開閉する手間の要らないワンタッチレバー式の、プラスチック製計量器付き米櫃が普及している。[森谷尅久]

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