紅蓮(読み)ぐれん

日本大百科全書(ニッポニカ)「紅蓮」の解説

紅蓮
ぐれん

もと仏教語で、紅色のハス()の花のこと。サンスクリット語でpadma(パドマ)といい、仏典では鉢特摩とも音訳する。また、八寒(はちかん)地獄の第7番目「紅蓮地獄」を略して蓮とよぶ。この地獄に落ちた者は、酷寒のために皮肉がはじけ裂けて血に染まり、紅色のハスの花の様相を呈するので、この名がある。この地獄よりさらに寒さと苦痛の大きい地獄が、第8番目の「大紅蓮」である。後世には、花をに見立てて猛火の形容として用いる。

[藤井教公]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「紅蓮」の解説

ぐ‐れん【紅蓮】

〘名〙
※俳諧・山の井(1648)夏「蓮 白蓮 紅蓮」
② 猛火の炎のたとえ。
※太平記(14C後)一八「紅蓮(グレン)の如くなる人の舌一つ、土の底に有て」
③ 真紅の色をたとえていう。
※応仁略記(1467‐70頃か)下「和光の瑞籬測らずも血を流せる属穢となり、紅蓮の濁水神前に湛へたり」
※愚迷発心集(1213頃)「寒風膚を徹(とほ)す暁は、紅蓮罪苦の氷を畏べし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「紅蓮」の解説

ぐ‐れん【×蓮】

紅色のはすの花。紅蓮華ぐれんげ
「―白蓮のにおいゆかしく」〈露伴五重塔
紅蓮地獄」の略。
燃え盛る炎の色のたとえ。「紅蓮の炎」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

半夏生

半夏ともいう。七十二候の一つで,本来は夏至後 10日目から小暑の前日までをいったが,現行暦では太陽の黄経が 100°に達する日 (7月1日か2日) を半夏生とし,雑節の一つとして記載している。この頃半...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android