デジタル大辞泉
「結合法則」の意味・読み・例文・類語
けつごう‐ほうそく〔ケツガフハフソク〕【結合法則】
数の加法・乗法で、演算の結合方法を変えることができる法則。加法ではa+(b+c)=(a+b)+cが、乗法ではa・(b・c)=(a・b)・cが成り立つ。また、これらの演算を結合的である、または結合性をもつという。結合律。結合則。
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けつごう‐ほうそくケツガフハフソク【結合法則】
- 〘 名詞 〙 演算の三法則の一つ。数の加法、乗法は、括弧をどのようにつけても結果にかわりがない (a+b)+c=a+(b+c), (ab)c=a(bc) という性質をもつが、これを「加法、乗法は結合法則をみたす」といい表わす。結合律。
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結合法則 (けつごうほうそく)
associative law
整数p,q,rについて,それらの和,積を考えると,それぞれ,p+(q+r)=(p+q)+r,p×(q×r)=(p×q)×rである。これらを整数(環)の加法および乗法に関する結合法則という。一般に,集合Aにおける演算*が,Aの元a,b,cについて,a*(b*c)=(a*b)*cを満たすとき,演算*は結合法則を満たすという。群の乗法や,環の加法,乗法は,それぞれ結合法則を満たす。例えば,二次の正方行列の和,積は,ともに結合法則を満たす。一方,集合Bの部分集合の族において,共通部分,和集合をとる演算も,それぞれ,B1∩(B2∩B3)=(B1∩B2)∩B3,B1∪(B2∪B3)=(B1∪B2)∪B3となり,結合法則を満たす。さらに,写像の合成も結合法則を満たす。このように,数学で扱われる多くの基本的な演算は,結合法則を満たす。しかし,リー環の場合,結合法則は満たさないが重要な演算も存在する。
執筆者:西村 純一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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結合法則
けつごうほうそく
associative law
結合律ともいう。演算 * の定義された集合 S において S の任意の3つの元 x ,y ,z に対して x*(y*z)=(x*y)*z が成り立つとき,この演算 * は結合法則を満たすという。整数,有理数,実数,複素数などの集合では,演算 + (加法) ,および演算・ (乗法) がいずれも結合法則を満たしている。すなわち
x+(y+z)=(x+y)+z
x・(y・z)=(x・y)・z
また,集合の演算 ∪ および ∩ も結合法則を満たしている。すなわち
A∪(B∪C)=(A∪B)∪C
A∩(B∩C)=(A∩B)∩C
結合法則は代数的結合として自然なものなので,たいていの代数構造は結合法則を満たす。リー環やジョルダン環のように非結合的な代数系もあるが,これには代りにほかの特殊な結合関係が規定されている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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結合法則
けつごうほうそく
associative law
算法の結合の順序に関する法則。結合律ともいう。たとえば2+(3+5)や(2+3)+5はともに10であり、2×(3×5)や(2×3)×5はともに30に等しいというように、一つの算法(゜)と元a、b、cについて、最初にaとbを結合し、その結果にcを結合したもの(a゜b)゜cと、aと先にbとcを結合した結果との結合a゜(b゜c)が等しいという法則である。つまりa、b、cの順序のみに関係して結合の順には関係しないという法則である。この法則は数の加法(+)、乗法(×)、写像の合成(゜)などについて成立するのみならず、たとえば命題についてもAand(BandC)と(AandB)andCが同値であるという意味で成立する。しかしたとえば、(2÷3)÷2=2/6であるが2÷(3÷2)=4/3のように結合法則の成立しない例も多い。
[難波完爾]
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結合法則【けつごうほうそく】
集合Sの任意の要素a,bの間に演算a・bが定義されていて,(a・b)・c=a・(b・c)が任意のa,b,cについて成り立つとき,この演算は結合法則を満足するという。たとえば実数,複素数,行列における加法・乗法,群における乗法は結合法則を満足する。
→関連項目交換法則|四元数
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