六訂版 家庭医学大全科 「統合失調症圏障害」の解説
統合失調症圏障害
とうごうしっちょうしょうけんしょうがい
Schizophrenia spectrum disorders
(こころの病気)
統合失調症という
実際、統合失調症の診断基準は満たさないものの、
このような状態を示す病気と統合失調症をひとくくりにして「統合失調症圏障害」と呼びます。具体的には以下のような病名と状態がこの圏内に含まれます。
●妄想性障害
明確な幻聴や「させられ体験(自分以外のものに支配・コントロールされている体験)」などの陽性症状、あるいは陰性症状はないものの、「自分の体が醜く、周囲の人々から
●急性一過性精神障害
2週間以内という大変短い期間のうちに、健常な状態から変化して、統合失調症にみられる陽性症状をいくつも生じるようになります。しばしば誰にでも理解可能な急性のストレス状況が、このような変化の前に先行しており、ストレスにさらされた脳の不適応状態として理解できます。2~3カ月以内に急速に回復し、障害を残さないことが一般的です。
●統合失調感情障害
感情障害(双極性障害、うつ病)と統合失調症の両方の症状が、病期のなかで同時に認められるものです。たとえば誇大的、過活動的になった
伊藤 順一郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報