日本大百科全書(ニッポニカ) 「テレパシー」の意味・わかりやすい解説
テレパシー
てれぱしー
telepathy
超心理学の用語。言語、身ぶり、表情その他感覚的手掛りがまったくないと考えられる条件下で、他人の心的内容(考え・知覚内容・感情など)を感知すること。19世紀末イギリスの研究者マイヤーズF. W. H. Myers(1843―1901)により、思念伝達thought-transferenceの語にかわり、また、霊魂仮説にかわる意味を含みつくられた。
18世紀、催眠状態下の被術者が、施術者の経験している味覚や痛覚を感ずることがあること、遠方の被術者を思念だけで催眠に誘導したり覚醒(かくせい)させることができることが観察された。19世紀末、イギリス心霊研究協会は、人の死に際し、それを知らない人が、死者に関する幻覚を経験することが偶然以上の頻度であるとの調査結果を発表した。テレパシーの実験的証明はラインによって行われ、透視・予知の可能性を除いた純粋テレパシーの条件で成功している。テレパシーは透視・予知とともにESPに包括される。
[大谷宗司]