(読み)ソウ

デジタル大辞泉 「綜」の意味・読み・例文・類語

そう【綜】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ソウ(漢) [訓]すべる へ
全部一つにまとめる。統轄する。「綜合
織機のおさ。へ。「錯綜
[補説]1は「」と通用
[名のり]おさ

あぜ【×綜】

はた織り機で、縦糸順序を正しくし、また、縦糸を上下に分けて横糸を通すすきまをつくる用具綜絖そうこう

ふ【×綜】

[動ハ下二]へ(綜)る」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「綜」の意味・読み・例文・類語

へる【綜】

  1. 〘 他動詞 ハ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙(たていと)を引きのばして機(はた)織り機にかける。織るために経をのばし整える。
    1. [初出の実例]「うちそやし 麻続(をみ)の子ら ありきぬの 宝の子らが 打つ栲は 経(へ)て織る布」(出典万葉集(8C後)一六・三七九一)

あぜ【綜】

  1. 〘 名詞 〙(はた)の、経(たていと)をまとめる用具。綜絖(そうこう)
    1. [初出の実例]「布をるにあせといふ事ある歟。布をるあせはあざふの心歟。あざふは叉也」(出典:名語記(1275)六)

へ【綜】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「へる(綜)」の連用形名詞化 ) 機(はた)の経(たていと)を引きのばしてかけておくもの。綜絖。
    1. [初出の実例]「榺 綜也 支奴於留戸」(出典:新撰字鏡(898‐901頃))

ふ【綜】

  1. 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙へる(綜)

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普及版 字通 「綜」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 14画

[字音] ソウ
[字訓] へ・いとかけ・すべる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は宗(そう)。〔説文〕十三上に「(はた)の縷(る)なり」とあり、〔唐写本玉〕に「の縷は絲を持してはるなり」の文がある。〔列女伝、母儀、魯の季敬姜伝〕に「推してき、引きて來らしむるるは綜なり」とあり、経(たていと)と緯(よこいと)とを織りなすものであるから、錯綜(さくそう)といい、綜括・綜合という。

[訓義]
1. へ、いとかけ。
2. すべる、あつめる、くくる、おさめる、まじえる。

[古辞書の訓]
和名抄〕綜 閉(へ)〔名義抄〕綜 へ・スブ・スベテ・ナラフ・フサヌ・イトアハス・モテアソブ・ツムグ・ムツブ・キヌタリ・ヲサム 〔字鏡集〕綜 スベタリ・ホソシ・イト・ヘ・ナラ・フサヌ・ナラフ・ナラム・ツムグ・カサヌ・アハス・ムツブ・キメタリ・モテアソブ・マナブ・ヲサム・ツツム・スフクム

[語系]
綜tzun、奏tzo、また(総)tzongも声義近く、楽音を合わせることを奏、糸を聚束することを綜・総という。

[熟語]
綜緯綜覈綜核・綜括綜貫・綜観綜計・綜校・綜合・綜事・綜実綜緝・綜制綜析綜摂・綜達綜治・綜物・綜務・綜覧・綜理・綜練
[下接語]
該綜・貫綜・綜・錯綜・銓綜・通綜・畢綜・弁綜・

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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