平安・鎌倉時代に公家が使用した牛車(ぎつしや)の一種。屋形(車の箱)を竹やヒノキの薄板で網代に組んで覆ってあることからこの名称がある。大臣・納言等の公卿が直衣を着用しているときや,褻(け)のときあるいは遠所へ行くときに用いた。また四位,五位の人や中将,侍従,外衛の督・佐なども乗った。官位,家格,年齢等の違いによって乗用する車の仕様がそれぞれ異なり,例えば,大臣が乗る車は棟の表と物見(屋形の左右にある窓)の上は白網代で無紋(上白の車),物見の下は青地に黄文の例網代で袖の表の白網代に漆でそれぞれの家特有の車の紋をかく(紋車)。殿上人が乗る場合には,壮年の者は物見板外方に紺青地の1枚ごとに四季絵をかいてある扇の絵をかくが,老人用の車には黒漆に胡粉で扇をかく(白絵車)などである。檳榔毛車(びろうげのくるま)などに比して略儀の車であるといえる。
執筆者:清田 善樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…牛車は人の乗る屋形,輪,車の前に長く伸びる轅,牛につける軛等から成る。その種類は多く,殿上人・公卿らが通常用いる網代(あじろ)車は,竹やヒノキの網代で屋形を包んだものである。屋根を唐庇(からびさし)(寝殿造の広庇)につくった唐庇車(唐車ともいう)は最上の牛車で,上皇・皇后・東宮・親王や摂政・関白等がハレのときに用いた。…
※「網代車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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