網代車(読み)アジログルマ

世界大百科事典 第2版の解説

あじろぐるま【網代車】

平安・鎌倉時代公家が使用した牛車(ぎつしや)の一種。屋形(車の箱)を竹やヒノキの薄板で網代に組んで覆ってあることからこの名称がある。大臣・納言等の公卿直衣を着用しているときや,褻(け)のときあるいは遠所へ行くときに用いた。また四位,五位の人や中将,侍従,外衛の督・佐なども乗った。官位家格,年齢等の違いによって乗用する車の仕様がそれぞれ異なり,例えば,大臣が乗る車は棟の表と物見(屋形の左右にある窓)の上は白網代で無紋(上白の車),物見の下は青地に黄文の例網代で袖の表の白網代に漆でそれぞれの家特有の車の紋をかく(紋車)。

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大辞林 第三版の解説

あじろぐるま【網代車】

牛車ぎつしやの一。竹または檜ひのきの薄板の網代で屋形をおおい、物見(窓)を設けたもの。摂政・関白・大臣・納言なごん・大将などは略式用として、四・五位、中・少将、侍従などは常用とした。

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精選版 日本国語大辞典の解説

あじろ‐ぐるま【網代車】

〘名〙 牛車(ぎっしゃ)の一種。竹または檜(ひのき)の網代⑤を、車箱の屋形の表面に張ったもの。
蜻蛉(974頃)下「ただきよげなるあじろぐるまに、馬(むま)にのりたる男ども四人」
[補注]屋形の構造、物見の大小、表面文様などに別があり、殿上人以上の公家が、家格、職掌に応じて使い分けた。

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世界大百科事典内の網代車の言及

【車】より

…牛車は人の乗る屋形,輪,車の前に長く伸びる轅,牛につける軛等から成る。その種類は多く,殿上人・公卿らが通常用いる網代(あじろ)車は,竹やヒノキの網代で屋形を包んだものである。屋根を唐庇(からびさし)(寝殿造の広庇)につくった唐庇車(唐車ともいう)は最上の牛車で,上皇・皇后・東宮・親王や摂政・関白等がハレのときに用いた。…

※「網代車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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