線量当量(読み)センリョウトウリョウ

最新 地学事典 「線量当量」の解説

せんりょうとうりょう
線量当量

dose equivalent

放射線の生物学的効果を共通尺度で表す量(DE)で,吸収線量Dに線質係数Qと修正係数Nを掛けて,放射線被曝の有害な効果のより良い指標となるようにしたもの(DEDQN)。吸収線量の単位はラド(rad;1rad=0.01J/kɡのエネルギーが放射線から物質に与えられる)が使われてきたが,現在ではグレイ(Gy;1Gy=100rad=1J/kɡ)を使う。線量当量の単位はrem(レム)が使われてきたが,最近はSv(シーベルト)を使うことが多い(1Sv=100rem)。国際放射線防護委員会(ICRP)の1977年勧告では,線質係数Qの値として,X線・γ線および電子に対して1,エネルギー不明の中性子陽子・電荷1の荷電粒子に対して10, エネルギー不明のα粒子と多重電荷の荷電粒子に対して20を与え,修正係数Nの値には1を与えている。すなわち,例えばX線が1グレイ生物に当たると線量当量が1,α線が1グレイ当たると線量当量は20などとなる。

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化学辞典 第2版 「線量当量」の解説

線量当量
センリョウトウリョウ
dose equivalent

放射線防護の立場から,種類やエネルギーの異なった放射線の生体に及ぼす効果に着目して,近年,定義された,いわば実効的線量であって,レム(rem)をその単位とする.放射線生物学において用いられる生物学的効果比(RBE)に対応して定義された線質係数(quality factor)を導入して,吸収線量と次のように関係づけられる.

線量当量 = 線質係数 × 吸収線量 × 補正因子

ここに,吸収線量はラド(rad)で表す.線質係数は,以前は生物学的効果比とよばれ,元来は250 kV のX線の生物学的効果を1と定め,これを基準として,放射線の種類とエネルギーに応じて定められたものであるが,実際には,X線,γ線,電子線に対して,そのエネルギーを問わず1として扱っている.線量当量は,この量とともに,1962年にICRU(国際放射線単位・測定委員会)によって定義されたものである.補正因子には,たとえば体内に沈積したアイソトープ(同位体)の不均等分布によるものなどが含まれる.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「線量当量」の意味・わかりやすい解説

線量当量
せんりょうとうりょう
dose equivalent

被曝した放射線が人体に及ぼす生物学的効果を表す量。単位にはレム remあるいはシーベルト Svが使われる。1Sv=100remである。線量当量は,吸収線量に放射線の種類やエネルギーによって決まる放射線荷重係数と,その他の補正係数を乗じて求められる。放射線荷重係数の値は X線γ線β線に対して 1,中性子に対して 5~10,α線に対して 20である。なお集団が被曝した場合には,個人の線量当量に被曝した人数を乗じて総計をとった集団線量当量が使われる。

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改訂新版 世界大百科事典 「線量当量」の意味・わかりやすい解説

線量当量 (せんりょうとうりょう)

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世界大百科事典(旧版)内の線量当量の言及

【放射線量】より

…放射線量とは放射線のエネルギー吸収に関係した量をいい,通常は放射線の吸収エネルギーを物質の質量で除した量,すなわち吸収線量をいう。広義には照射線量や線量当量を含む。
[吸収線量]
 放射線は電荷をもつ荷電放射線(運動エネルギーを有する電子や陽子など)と電荷をもたない非荷電放射線(X線やγ線など)に大別される。…

※「線量当量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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