シーベルト(読み)しーべると(英語表記)sievert

翻訳|sievert

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シーベルト」の意味・わかりやすい解説

シーベルト
しーべると
sievert

被曝(ひばく)の影響を示す国際単位系単位Svで表す。かつてはレムが用いられており、1シーベルトは100レムである。生体に対する放射線の影響は、同じ吸収線量であっても、放射線の種類やエネルギー、影響を受ける臓器組織などにより異なる。そのため、それらの違いによる生物学的効果を考慮して計測し、吸収線量の単位グレイに対し、シーベルトを用いて区別する。名称放射線防護の研究に功績のあったスウェーデンの物理学者シーベルトRolf Maximilian Sievert(1896―1966)にちなむ。

[山本将史 2022年2月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーベルト」の意味・わかりやすい解説

シーベルト
sievert

国際単位系 SIにおける放射線吸収量(線量当量)の単位。記号は Sv。放射線の生体吸収量の単位として長らく用いられていたレムに代わるものとして,国際放射線単位測定委員会 ICRUが推奨している。X線γ線中性子線などの電離放射線は種類によって生体組織への影響がわずかに異なるため,シーベルトもレムと同様に,電離放射線の相対的生物学的効果比 RBEを加味して算出する。一般に 1Svは,1Gy(グレイ。=100rad〈ラド〉)のγ線と生物学的効果がほぼ同等の線量と定義される。シーベルトで表される線量は非常に大きく,各種の応用に不都合なため,1Svの 1000分の1を表すミリシーベルト(mSv)が用いられることが多い。1mSvは,生体組織 1gあたり 10erg(エルグ)のγ線のエネルギー吸収に相当する。通常の生活をしている人が 1年間に受ける,宇宙線などによる自然放射線の量は,世界平均約 2.4mSv,日本人の平均は約 1.5mSv。(→放射線障害

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android