β線(読み)ベータセン

デジタル大辞泉 「β線」の意味・読み・例文・類語

ベータ‐せん【β線/ベータ線】

放射線の一。原子核β崩壊で放出される高速度の電子または陽電子の流れ。人工的にはベータトロンなどで加速して発生させる。透過力や電離作用αアルファγガンマとの中間空気中を透過するが、薄い金属板や1センチメートル程度のプラスチック板で遮蔽することができる。その際、副次的に発生するX線を遮蔽する必要がある。人体に対しては、外部被曝ひばくにより皮膚および皮膚深部に悪影響を与えるほか、β線を放出する放射性物質を体内に取り込んだ場合、α線ほどではないが内部被曝による被害をもたらす。
[類語]放射線放射能宇宙線赤外線熱線遠赤外線紫外線可視光線アルファ線ガンマ線エックス線レントゲン線

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「β線」の意味・わかりやすい解説

β線
べーたせん

放射線の一種で、原子核のβ崩壊に伴い放出される電子または陽電子(β粒子)の流れ。プラスまたはマイナスに帯電しており、α(アルファ)線に比べると比較的電離作用が弱い。そのため透過力はα線に比べると強いが、厚さ1センチメートルほどのプラスチック板で遮ることができる。しかしβ線を遮る場合には、同時に制動放射でX線も放射されるため、X線の遮蔽(しゃへい)も考慮しなければならない。

[山本将史 2022年7月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「β線」の意味・わかりやすい解説

β線
ベータせん
β-ray

放射性核種が自然崩壊するとき放出される放射線の1種で,高速の電子または陽電子の集りである。運動エネルギーは数百万 eV ,またはそれ以下である。普通の放射性核種から放出される放射線には,ほかにα線γ線とがあるが,β線の電離作用はα線とγ線との中間で,写真乾板を感光させる。透過力はアルミニウム板で数 mm 以下,1気圧の空気で1 m 程度以下である。

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栄養・生化学辞典 「β線」の解説

β線

 放射線の一種で,β崩壊といわれる核の崩壊にともなって放出されるもの.電子線もしくは陽電子の線.

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