羽黒館跡(読み)はぐろだてあと

日本歴史地名大系 「羽黒館跡」の解説

羽黒館跡
はぐろだてあと

[現在地名]塙町塙・上渋井・竹之内

現塙町市街の東方、羽黒山(三六四メートル)に築かれた中世山城。羽黒城ともいう。同山は南北に長い独立峰で、西を久慈くじ川、南を川上かわかみ川、東を渡瀬わたらせ川が流れる。築城者・築城時期とも不明だが、天喜二年(一〇五四)源義家が築城し、一〇年余常陸大掾平国香が領していたとの伝承がある(「棚倉往古由来記」ほか)。戦国期はあか館・寺山てらやま(現棚倉町)ひがし(現矢祭町)とともに佐竹氏南郷(現東白川郡の南部)における有力支城の一。永正二年(一五〇五)には佐竹一族大塚氏が、佐竹氏に背いて結城白川氏に属し在城したと伝える(白河古事考)。天文一〇年(一五四一)東館を攻略した佐竹義篤は、当館をも攻略していたと思われる。


羽黒館跡
はぐろやかたあと

[現在地名]中条町羽黒 山口

羽黒集落東方、胎内たいない川支流と羽黒沢はぐろさわ川に挟まれた船首状の河岸段丘上にある。西側中央部には堀・土塁に囲まれた方形の二郭があり、北の徳岩とくがん寺、西南端の羽黒三社を含む東西二〇〇メートル・南北一〇〇メートルに及ぶ外郭が設けられている。段丘縁辺には堀・土塁跡が残る。遺構周辺からは珠洲系・常滑系の陶器片多数が採集されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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