聞入れる(読み)キキイレル

デジタル大辞泉 「聞入れる」の意味・読み・例文・類語

きき‐い・れる【聞(き)入れる】

[動ラ下一][文]ききい・る[ラ下二]
人の要求や願いなどを聞いて、承知する。「申し出を―・れる」「忠告を―・れる」
身を入れて聞く。耳を傾ける。
「いかなる大事あれども、人の言ふ事―・れず」〈徒然・六〇〉
[類語]受け入れる聞き届ける認める承認承諾受諾受け付ける心得る応じる承る承服黙認公認自認約諾快諾内諾甘受オーケー受容承知

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「聞入れる」の意味・読み・例文・類語

きき‐い・れる【聞入】

  1. 〘 他動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ききい・る 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 心にとめて聞く。相手の言葉などに耳を傾けて聞く。耳にしようとする。耳を貸す。聞き流しにしない。
    1. [初出の実例]「耳にも聞いれざりければ、言ひかかづらひて帰りぬ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「いかなる大事あれども、人の言ふ事ききいれず」(出典:徒然草(1331頃)六〇)
  3. 相手の願い、要求、教訓などを、聞いて承認し、そのとおりにする。聞き届ける。願いをかなえる。承諾する。
    1. [初出の実例]「世間の人むこに取らんとあらそひきこゆれど、ききいれず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)
    2. 「若き時分より、親の異見も聞入ず」(出典:狂言記・手負山賊(1730))
  4. 聞いて、それとわかる。聞いたことを理解する。
    1. [初出の実例]「かかる筋には、いま少し心も得ず、おほどかにて、なにともききいれ給はねば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)

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