心得る(読み)ココロエル

デジタル大辞泉 「心得る」の意味・読み・例文・類語

こころ・える【心得る】

[動ア下一][文]こころ・う[ア下二]
物事事情や意味するところをよく理解する。のみこむ。わきまえる。「扱いを―・えている」
事情をよく理解したうえで引き受ける。承知する。「―・えました。おまかせください」
たしなみがある。会得している。「茶道少しは―・えている」
気をつける。用心する。
「ころび落ちぬやう―・えて炭を積むべきなり」〈徒然・二一三〉
[類語]承知認める承認する同意する肯定するうべなううけがう是認する容認する認容する許容する許可する認許する認可する公認する許す受け入れる聞き入れる聞き届ける承諾する・受諾する・受け付ける応じる承る承服する・黙認する・自認する・約諾する・快諾する・内諾する・甘受する・オーケーする・受容する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心得る」の意味・読み・例文・類語

こころ‐・える【心得・意得】

  1. 〘 他動詞 ア行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]こころ・う 〘 他動詞 ア行下二段活用 〙
  2. まわりの事情や物事の意味などを理解し、さとる。わけがわかる。わきまえる。思わくを察する。
    1. [初出の実例]「宮仕へ仕うまつらず成りぬるも、かくわづらはしき身にて侍れば、心えず思しめされつらめども」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「物の名など心得たるどち、片端言ひ交し、目見合せ笑ひなどして、心知らぬ人に心えず思はする事」(出典:徒然草(1331頃)七八)
  3. 承知する。同意する。了解する。ひきうける。
    1. [初出の実例]「いかなりけることならむとはいまに心えがたく思ける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)
    2. 「内侍には伊予内侍・少輔内侍二人ぞ心ゑたりける」(出典:愚管抄(1220)五)
  4. 気をつける。用心する。心構えをする。覚悟する。
    1. [初出の実例]「さればころび落ちぬやうに心得て炭をつむべきなり」(出典:徒然草(1331頃)二一三)
  5. たしなみがある。会得している。その道の経験が深い。精通する。
    1. [初出の実例]「わが心えたる事ばかりを、おのがじし心をやりて、人をばおとしめなど、かたはらいたき事多かり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
    2. 「与三兵衛重景、石童丸といふ童、舟に心えたればとて〈略〉召し具して」(出典:平家物語(13C前)一〇)

心得るの補助注記

室町時代ごろからヤ行下二段にも活用し「こころゆ(る)」が見られるが、その明らかな例は「こころゆ」の項にあげた。→こころゆ

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