慢性鼻炎でもっとも多い病態で、粘膜が肥厚した状態をいう。肥厚は粘膜の全構成要素に及び、上皮は腺毛(せんもう)を失い扁平(へんぺい)上皮化性傾向を示す。鼻炎が長く続いたためにおこるが、点鼻薬を長期にわたって使用したためにおこること(薬剤性鼻炎)も少なくない。下鼻甲介、ついで中鼻甲介に多い。症状は鼻閉(鼻づまり)が主で、頭重感や不快感を伴うことがある。粘膜は硬く肥厚し、凹凸がある。下鼻甲介の後端では桑実(そうじつ)様に肥大し、後鼻孔を占居していることがある。アドレナリンのような血管収縮剤を塗布しても、腫脹(しゅちょう)が消退しないのが特徴である。治療は、肥厚している粘膜を切除するか、電気焼灼(しょうしゃく)や凝固、ときには冷凍凝固する。
[河村正三]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
生命維持活動に必須なエネルギーの獲得や,成長に必要な有機材料を合成するために生体内で起るすべての生化学反応の総称。複雑な分子を単純な分子へ分解してゆく過程でエネルギーを獲得する分解代謝または異化 (カ...