翻訳|freezing
原材料を、その氷点以下の温度に冷却して凍結状態にすることをいい、農・水・畜産品の貯蔵等によく用いられる操作である。常温以下ではあるが氷点には至らず、凍結させない状態で貯蔵する冷蔵に対して、凍結状態での冷凍貯蔵は区別して取り扱われている。
低温・凍結状態下では、生体は冬眠的な生物活性の低い状態に置かれるのみならず、他の微生物や化学的な作用が抑制され、新鮮な状態が維持されやすい。しかし、果実や野菜などでは、ある温度以下で低温傷害を生じる場合もあるので、冷凍貯蔵温度に制限があることも少なくない。魚・肉などでは零下20~零下40℃の比較的低温が用いられるが、農産物の多くはむしろ氷点に近い比較的高温の零下数℃の温度域が用いられることが多い。
凍結に際して、その冷却速度が緩やかであると、材料内部に生じる氷の結晶が大きく成長し、それが食品などの固有の細胞組織を破壊して、解凍したのち、その風味を損ない体液を流出させてしまうことが多い。そのため、液体窒素等の極低温寒剤を使用する高速冷凍法が開発、使用されている。これとともに貯蔵中の温度管理も重要である。貯蔵中、品温が氷点以上になり部分的融解をおこすことはもちろん、氷点以下であっても氷晶の成長を生じるような大幅な温度変動を避ける必要がある。また、凍結技術とともに、凍結品を融解して常温に戻す解凍技術も最終製品の品質に与える影響が大きく、冷凍操作にとって重要な課題である。
[河村祐治]
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…外温のもとでは品質の変化しやすい生鮮食品,冷凍食品,医薬品などを,生産から消費まで一貫して低温の状態で流通させる仕組み(低温流通機構)をいう。すでに前2500年ころ,エジプトでは水の蒸発作用を利用して物資を保存しはじめているが,低温での貯蔵・輸送機能を組み合わせたコールド・チェーンの歴史は比較的新しく,19世紀末の冷凍機完成以降のこととなる。…
…明治維新後は在来技術の改良と外国技術の導入が積極的に行われ今日に至っている。 明治以降の特色は機械化が急速に進み多くの製品で大量生産が可能になったことで,そのおもなものは缶詰加工,練製品および冷凍すり身製造,調味加工品製造などの各技術で,関連するものとして製氷・冷凍技術がある。
[缶詰]
日本における缶詰製造は,1871年(明治4)長崎の松田雅典がフランス人の指導をうけて試作したのが初めといわれる。…
※「冷凍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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