肥沃な三日月地帯(読み)ひよくなみかづきちたい(その他表記)Fertile Crescent

翻訳|Fertile Crescent

日本大百科全書(ニッポニカ) 「肥沃な三日月地帯」の意味・わかりやすい解説

肥沃な三日月地帯
ひよくなみかづきちたい
The Fertile Crescent

中近東あるいはオリエントとよばれる地域うち、初期文明が発生したティグリス・ユーフラテス河谷、東地中海岸、ナイル河谷がほぼ三日月形体配置を示しているところから、アメリカのオリエント学者J・H・ブレステド(1865―1935)が名づけた呼称土地肥沃であるだけでなく、豊かな文明が開花した地帯であることを意味している。

矢島文夫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肥沃な三日月地帯」の意味・わかりやすい解説

肥沃な三日月地帯
ひよくなみかづきちたい
Fertile Crescent

ペルシア湾からチグリス,ユーフラテス両川に沿って北西に伸びるメソポタミア地方から,さらにユーフラテス川をさかのぼってシリア地方にいたり,地中海岸に沿って南下してパレスチナ地方にいたる,ちょうど三日月 (半月) の形をなす地域。アメリカの考古学者 H.ブレステッドによって初めて用いられた用語。北には山岳地帯を,南には不毛なアラビア砂漠を控え,その肥沃さのゆえに古代オリエント文明の発祥地となり,以来幾多の古代文明がこの地域において勃興した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「肥沃な三日月地帯」の解説

肥沃な三日月地帯(ひよくなみかづきちたい)
Fertile Crescent

アメリカの東洋学者ブレステッドの命名で,パレスチナシリアメソポタミアをつらねる農耕文明の成立地帯をいう。北方の山岳地帯と南方の砂漠地帯の中間で,オリエント中心部をなす。

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旺文社世界史事典 三訂版 「肥沃な三日月地帯」の解説

肥沃な三日月地帯
ひよくなみかづきちたい
Fertile Crescent

ティグリス・ユーフラテス両川流域からシリア・パレスチナをへてエジプトのナイル川河口に至る三日月形の地域
アメリカのエジプト学者ブレステッドにより命名。アラビア砂漠・イラン高原に包まれた沃野 (よくや) 地帯を形成し,農耕社会最初の都市文明が発達した。

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