脂下る(読み)ヤニサガル

デジタル大辞泉 「脂下る」の意味・読み・例文・類語

やに‐さが・る【脂下(が)る】

[動ラ五(四)]2原義
気取って構える。得意になってにやにやする。「色男ぶって―・る」「―・った顔つき」
やにが吸い口の方へ下がるように、雁首を上げてキセルをくわえる。
「きせる斜めに―・り、ぎちこぎちこと漕ぎ行けば」〈洒・深川新話〉
[類語](1笑うにやけるにやつくにたつく微笑む笑む笑い飛ばす笑い崩れる笑いける笑い転げる笑いさざめく嘲笑あざわら薄笑うせせら笑う吹き出すほくそ笑むにこつく相好を崩す腹の皮をよじ腹の皮を腹を抱える御中おなかを抱えるおとがいを解く目を細める一笑に付す

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精選版 日本国語大辞典 「脂下る」の意味・読み・例文・類語

やに‐さが・る【脂下】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. キセルの雁首を上に上げてタバコをくゆらす。
    1. [初出の実例]「きせる斜にやに下り、ぎちこぎちこと漕行ば」(出典:洒落本・深川新話(1779))
  3. 気どってかまえる。高慢な態度をとる。現在では、いい気分になってにやにやする意にいう。
    1. [初出の実例]「やに下り世上にまなこたかい顔」(出典:雑俳・柳多留‐一六(1781))
    2. 「色女とやにさがってるやうなところを」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉六)

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