頤を解く(読み)オトガイヲトク

デジタル大辞泉 「頤を解く」の意味・読み・例文・類語

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精選版 日本国語大辞典 「頤を解く」の意味・読み・例文・類語

おとがい【頤】 を=解(と)く[=はずす・=放(はな)つ]

  1. ( あごをはずすの意から ) 大きな口をして笑う。大笑いする。あごをはずす。
    1. [初出の実例]「都人士女之見者莫頤断一レ腸」(出典明衡往来(11C中か)上本)
    2. 「諸人、おとがひをはなちてわらひたるに」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
  2. 不審が晴れてうなずく。納得する。
    1. [初出の実例]「よう理がきこえて、人がうなづいてをとがいをといたぞ」(出典:玉塵抄(1563)一七)

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故事成語を知る辞典 「頤を解く」の解説

頤を解く

大きな口を開けて笑うこと。

[使用例] 円朝一人は、自然に人の頤を解かしめたので、客の笑うのも自然なら、自分の笑うのも自然であった[森銑三*三遊亭円朝|1965]

[由来] 「漢書きょうこう伝」に見えるエピソードから。紀元前一世紀の中国、前漢王朝の時代のこと。匡衡という学者は、貧しい中で人一倍、学問に励んでいました。特に儒教経典の一つ、「詩経」に対して熱心だったようで、ほかの学者たちは、「彼が来たときには、『詩経』の話はするな。彼が『詩経』について話を始めると、そのあまりの熱心さに、『人の頤を解く(聞く者は思わずあごの緊張を解いて、笑い出してしまう)』」と噂していた、ということです。

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