微笑む(読み)ホホエム

デジタル大辞泉 「微笑む」の意味・読み・例文・類語

ほほ‐え・む〔‐ゑむ〕【微笑む/頰笑む】

[動マ五(四)]
声をたてずににっこり笑う。微笑する。ほおえむ。「―・んだ顔」
花のつぼみが少し開く。ほころびる。ほおえむ。「梅の花が―・みはじめる」
[類語]笑う笑むにこつく目を細める相好を崩す笑い飛ばす笑い崩れる笑いける笑い転げる笑いさざめく嘲笑あざわら薄笑うせせら笑う吹き出すほくそ笑むにたつくにやつく若気にやけやに下がる腹の皮をよじ腹の皮を腹を抱える御中おなかを抱えるおとがいを解く一笑に付す

ほお‐え・む〔ほほゑむ〕【微笑む】

[動マ五(四)]ほほえむ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「微笑む」の意味・読み・例文・類語

ほほ‐え・む‥ゑむ【微笑・頬笑】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙 ( 後世「ほおえむ」とも )
  2. 声をたてないでかすかに笑う。また、にこにこする。
    1. [初出の実例]「是を見奉りて、その国の司もほほゑみける」(出典:尊経閣本竹取(9C末‐10C初))
  3. 花が少しひらく。つぼみがひらく。えむ。
    1. [初出の実例]「梅はけしきばみほほゑみわたれる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
  4. ( 比喩的に ) 希望や明るいきざしなどが感じられる。
    1. [初出の実例]「昨夜、妻と一緒に眺めた同じ星が、此処でも、澄み渡った空の奥からほほゑんでゐる」(出典:妻(1920)〈田中純〉)

微笑むの語誌

( 1 )「頬笑む」の意と考えられるが、中世の辞書類では、しばしば「ほお(頬)」と「ほほえむ」との語形が違う。「頬(ホフ)」━「忍笑(ホホ・シノビワライ)」〔文明本節用集〕、「頬(ホウ)」━「忍咲(ホホエン)」〔永祿五年本節用集〕、「頬(ホフ)」━「微笑(ホホヱム)」〔易林本節用集〕など。
( 2 )現代では、もっぱら好ましい感じの笑い方をいうが、古くは、苦笑失笑冷笑などをも含めて、一般に控えめに笑うことをいった。


ほお‐え・むほほゑむ【微笑】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙ほほえむ(微笑)

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