吹出す(読み)フキダス

デジタル大辞泉 「吹出す」の意味・読み・例文・類語

ふき‐だ・す【吹(き)出す/噴(き)出す】

[動サ五(四)]

㋐(吹き出す)風が吹きはじめる。「秋風が―・す」
㋑こらえきれずに笑いだす。「おかしくて、つい―・す」
㋒内にあるものが勢いよく外に出る。「血が―・す」「汗がどっと―・す」
草木の芽が勢いよく出る。芽吹く。「若芽が―・す」

㋐(吹き出す)笛などを吹きはじめる。「フルートを―・す」
㋑(吹き出す)自慢話などをはじめる。「ほらを―・す」
㋒吹いて外に出す。「タバコの煙を―・す」
㋓草木が勢いよく芽を出す。「柳が芽を―・す」
[類語](1)㋑笑う笑止千万ばかばかしい馬鹿らしい馬鹿臭い詰まらない馬鹿愚か愚かしい阿呆らしい阿呆臭い下らない馬鹿げる愚劣無思慮ぶしりょ無考え浅はか浅薄せんぱく軽はずみ軽率笑い事笑止片腹痛い噴飯物噴飯笑い大笑い高笑い哄笑爆笑呵呵大笑抱腹絶倒笑い崩れる笑いける笑い転げる腹の皮をよじ腹の皮を腹を抱える御中おなかを抱えるおとがいを解く愚にも付かぬへそで茶を沸かすへそ茶聞いてあきれるちゃんちゃらおかしい微笑む笑む笑い飛ばす笑いさざめく嘲笑あざわら薄笑うせせら笑うほくそ笑むにこつくにたつくにやつく若気にやけやに下がる相好を崩す目を細める一笑に付す/(1)㋒浮き出る浮き出す湧き出る吹き出る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「吹出す」の意味・読み・例文・類語

ふき‐だ・す【吹出・噴出】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行五(四) 〙
    1. 風が吹きはじめる。ふきたつ。
    2. 内にあるものが一気に外に出る。狭いところから勢いよく外に出る。あふれて外に出る。わき出る。噴出する。
      1. [初出の実例]「無間の鐘の手水鉢のごとく吹出(フキダ)す水につれ」(出典咄本・鹿の子餠(1772)睾玉)
    3. こらえかねて、ぷっと笑う。我慢しきれず急に笑い出す。
      1. [初出の実例]「春風にふき出し笑ふ花も哉(がな)芭蕉〉」(出典:俳諧・続山の井(1667)春中)
    4. 草木の芽が勢いよく出る。萌(も)え出る。
      1. [初出の実例]「石には苔の斑が薄青く吹(フ)き出(ダ)して」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉五)
    5. 相場が急に上がる。〔最新現代語辞典(1933)〕
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
    1. 吹いて出す。内から外へ勢いよく出す。あふれるように外に出す。
      1. [初出の実例]「ふき出すやいきもかへらぬ若煙草〈吟睡〉」(出典:俳諧・桜川(1674)秋二)
    2. 勢いよく芽を出す。
      1. [初出の実例]「来年新芽を吹き出したら」(出典:星座(1922)〈有島武郎〉)
    3. 笛や管楽器を吹きはじめる。
    4. 自慢を言いはじめる。
      1. [初出の実例]「山や川や野合戦のお咄し斗吹出しなさるが」(出典:雑兵物語(1683頃)下)

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