脆銀鉱(読み)ぜいぎんこう(その他表記)stephanite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「脆銀鉱」の意味・わかりやすい解説

脆銀鉱
ぜいぎんこう
stephanite

銀とアンチモンを主成分とする硫塩鉱物の一つで、銀の鉱石鉱物となる。低~中温熱水鉱脈鉱床中に産し、針銀鉱など他の銀鉱物や銀硫塩鉱物、閃(せん)亜鉛鉱、方鉛鉱などと共存する。自形双晶による擬六角板状で晶洞(鉱脈中の空洞)に発達する。日本のおもな産地は、秋田県院内鉱山閉山)、静岡県伊豆市清越(せいごし)鉱山(閉山)、福島県郡山(こおりやま)市高玉(たかだま)鉱山(閉山)など。英名オーストリアの鉱山局総裁シュテファンA. V. Stephan(1817―1867)にちなむ。

加藤 昭 2017年8月21日]


脆銀鉱(データノート)
ぜいぎんこうでーたのーと

脆銀鉱
 英名    stephanite
 化学式   Ag5SbS4
 少量成分  As,Se
 結晶系   斜方直方
 硬度    2~2.5
 比重    6.28
 色     鉄黒
 光沢    金属
 条痕    鉄黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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