脳磁図(読み)ノウジズ

デジタル大辞泉 「脳磁図」の意味・読み・例文・類語

のうじ‐ず〔ナウジヅ〕【脳磁図】

磁気図記録法。脳の電気的活動磁界として測定し、脳の病変部位脳死の確定診断に用いる。MEGメグ(magnetoencephalography)。

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百科事典マイペディア 「脳磁図」の意味・わかりやすい解説

脳磁図【のうじず】

脳から発生する磁気を計測して,中枢神経系の動きを検査する方法。MEG(magnetoencephalography)ともいう。脳の磁気は,地球の磁場の10億分の1程度と弱いものだが,この検査室では地磁気の影響を最小限に抑えて,非侵襲的(人体へのダメージがない)な方法で,脳の機能を映像に表すことができる。 CTスキャンMRIが静止した画像を撮影するのに対して,脳磁図はリアルタイムで脳が活動・機能している様子を見られる。現在では,脳磁図を用いて,人間の短期的な記憶力,注意力,意識,言語などの高度な認識機能に関する研究が進んでいる。 臨床的には,癲癇(てんかん)などの痙攣(けいれん)性疾患や,パーキンソン病,認識・精神障害において,脳内で起きている機能不全の研究も行われている。特に,癲癇は発作のないときでも,常に電気的活動が起きることがよくあり,その場所を計測する方法として期待されている。→メディカルエレクトロニクス

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脳磁図」の意味・わかりやすい解説

脳磁図
のうじず
magnetoencephalography; MEG

脳の神経細胞が活動するときに生じる磁場を,地球磁場の 100億分の1という微小な磁場もはかれる超電導量子干渉素子 (SQUID) で測定し,脳の活動状況を図にしたもの。脳波計で神経細胞に流れる電流を測定する場合,頭蓋骨皮膚の影響を受けやすいのが欠点だった。これに対し磁場測定はこれらに左右されず,脳波計の 1000万分の1程度の微小電流を測定できる。 SQUIDと磁気シールド,解析装置を組合せて使う。副作用もないので,脳の機能解明や痴呆,てんかんの原因究明のほかに,脳腫瘍脳梗塞などの診断など幅広い用途が期待されている。

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知恵蔵 「脳磁図」の解説

脳磁図

脳の神経細胞が活動すると電気的な興奮が起こり、活動電流が流れて磁界が生じる。これを、高感度の超伝導量子干渉素子というセンサーによって計測したのが脳磁図である。このセンサーを増やせば、それだけ精密な検査ができる。頭蓋骨などによって歪められることなく、磁界を頭皮側から測定できるのが長所。頭皮に針を刺すこともなく、患者にやさしい楽な検査法。てんかんのほか脳腫瘍、脳梗塞、脳内出血、認知症などの診断に利用される。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

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