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腱鞘炎 けんしょうえんtendovaginitis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

腱鞘炎
けんしょうえん
tendovaginitis

手指の腱鞘という二重のさやで包まれているが,この腱鞘の炎症をいう。代表的なものは,結核性腱鞘炎のような細菌性の炎症と,狭窄性腱鞘炎のような機械的刺激による反応性の炎症である。結核性腱鞘炎は,局所の軽い腫脹と疼痛で始り,次第に手指の運動制限を起すが,最近はほとんどみられない。狭窄性腱鞘炎には,母指の過度の使用のため橈骨茎状突起部の腱鞘に起る,いわゆるドーケルバン病 (デケルバン病ともいう) のほか,ばね指などがある。治療には局所の安静,副腎皮質ホルモン剤の局所注射,腱鞘切開手術などを行う。

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デジタル大辞泉の解説

けんしょう‐えん〔ケンセウ‐〕【××鞘炎】

腱鞘との摩擦などで起こる炎症。指の使いすぎによるものが多く、患部に痛みと腫(は)れがある。

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百科事典マイペディアの解説

腱鞘炎【けんしょうえん】

腱鞘の各種原因による炎症。腱鞘をもたないアキレス腱などでは腱周囲炎と呼ばれる。症状は局所のはれ,疼痛(とうつう),運動の不自由など。急性と慢性に区別。急性腱鞘炎は化膿菌の直接感染か,皮下【ひょう】疽(ひょうそ)が腱鞘に及んだ場合などに起こる。

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家庭医学館の解説

けんしょうえん【腱鞘炎】

 筋肉と骨とをつなぐ腱の外側を包んでいる腱鞘におこる炎症です。
 もっとも頻度が高いのは、腱鞘の中が狭くなるために腱のすべりが悪くなって摩擦がおこる狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)です。
 おもな症状は疼痛(とうつう)と腫(は)れで、手をよく使う中年の女性に多く発生します。
 治療は、湿布やサポーターなどで手を安静に保ちます。痛みが強い場合は、痛む腱へステロイド(副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)剤を注射します。
 治りにくい場合は、狭くなっている腱鞘を切開し、すべりをよくする手術が行なわれます。

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世界大百科事典 第2版の解説

けんしょうえん【腱鞘炎 tenosynovitis】

手足などにある長いには,腱の動きを滑らかに行わせるトンネル様の構造がある。これを腱鞘という。腱鞘は腱が骨を有効に動かすための滑車の役割をし,腱が脱臼しないように制動しているが,腱鞘炎とは,この腱鞘に起こる炎症である。腱鞘炎には化膿性のものや結核性のものもあるが,むしろまれで,リウマチ性のものや,過度の運動で非特異的に炎症が生じて起こるもの(タイピストやピアニストにみられる)が多くみられる。症状としては,圧痛があり,知覚異常や運動障害が起こる。

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大辞林 第三版の解説

けんしょうえん【腱鞘炎】

腱鞘の炎症。局所の腫脹しゆちよう・疼痛とうつう・運動制限を呈する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

腱鞘炎
けんしょうえん

手足の指骨に付着する長い腱にはトンネル構造の腱鞘があって腱の動きを潤滑にしている。この腱鞘の炎症を腱鞘炎という。日常多くみられるのは腱の使いすぎによって発生するド・ケルバンde Quervain腱鞘炎である。手をよく使う人、とくに婦人に多くみられ、手関節の母指側で長母指外転筋、短母指伸筋に発生することが多く、手関節の橈骨(とうこつ)側から前腕の橈骨側に、母指の運動時に疼痛(とうつう)がおこる。また、母指の運動時に音がする軋音(あつおん)性腱鞘炎や、腱鞘の肥厚が強くなって母指の屈伸が困難になる狭窄(きょうさく)性腱鞘炎もある。ひょうそで化膿(かのう)が腱鞘まで広がると化膿性腱鞘炎となる。結核性腱鞘炎もあるが、現在はまれなものとなった。なお、ばね指も腱鞘の慢性炎症で発生することがある。
 治療は、手をなるべく使わないようにすることが必要であり、副腎(ふくじん)皮質ホルモンの局所注射が奏効する。手術を要することは少ないが、狭窄性のものなどでは、腱鞘切開を行わなければ治らないことがある。[永井 隆]

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