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花言葉 はなことば

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

花言葉
はなことば

さまざまな花に,その特質に基づく意味を含ませて用いること。古くから花には種々の伝説があり,またシンボルとして考えられてきた。西洋ではギリシア神話にいろいろな花が登場し,またキリスト教により宗教的なシンボルとしての意味が加わって,花言葉は次第に一般的に定着した。現在花言葉には次のようなものがある。ユリは純潔,オリーブは平和,オレンジは処女性,ヤシは勝利,イチイは死,ヒイラギおよびツタは復活,ゲッケイジュは勝利または栄誉,バラは一般には清浄潔白,赤いバラは情熱,ブドウは「これは私の血です」など。

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デジタル大辞泉の解説

はな‐ことば【花言葉/花詞】

一つ一つの花に、それぞれふさわしい象徴的な意味をもたせたもの。バラは愛情、白ユリは純潔など。

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百科事典マイペディアの解説

花言葉【はなことば】

種々の花に象徴的な意味をもたせた言葉。バラが愛,スミレが忠実,ヒナギク無邪気とするような類で,複雑な意味(ユリ,あなたは私をだませない,など)をもつこともある。

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世界大百科事典 第2版の解説

はなことば【花言葉 language of flowers】

〈花詞〉とも書く。花言葉は,互いの気持ちを伝えるときに,その花のもつ特徴,性質などに基づいてシンボリックな意味をもたせたものである。花言葉には,ギリシアローマの神話や伝説によるもの,キリスト教による宗教的なシンボルに基づくもの,故事来歴によるもの,花の形,色,香り,開花の季節などによるものなどがある。 アラビア地方には,花束を人に贈り気持ちを花に託して伝え,贈られた相手はまた返事を花でもってするセラムselamといわれる風習があった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

花言葉
はなことば
flower language

花詞とも書く。その色、香り、形、形質などの特質に基づいて、ある花や植物に特定の意味をもたせたもので、古くからさまざまな民族、宗教、民俗などにおいて象徴や標章として用いられた。花は神話や伝説のなかにおいても語られ、それによって花に自己の感情や意志を託して表現する風習が行われてきた。なかでもギリシア神話には花にまつわる物語が多く、美少年ナルキッソスが自分に思いを寄せる森の精(ニンフ)エコーを捨てたために、女神ネメシスの怒りに触れスイセンの花に変えられてしまった話は広く知られている。この神話がもとになって、スイセンはイギリスでは「自己愛」「自己主義」、フランスでは「愚かさ」「あなたはあなた自身だけを愛している」などを意味する花になっている。こうしたギリシア・ローマの神話・伝説によるものや、キリスト教の宗教的シンボルによって生まれた花言葉は、ヨーロッパの国々にほぼ共通したものとして伝えられている。
 そして中世以来、愛する女性に花を贈って意志を伝え、その返事も花束を贈り返すことによって示す風習なども生まれた。しかし花のどこを取り上げるかによって、また国によって、その意味も違っているものがある。たとえば「節制」を花言葉とするツツジも、日本ではその燃えるような赤色を太陽に見立て、旧4月8日に天道花などとよんで家の門口に高く掲げる習俗があり、赤は日本や中国では喜びの色とされているが、インドでは怒りを表すとされる。黄色についても、日本のフクジュソウなどは正月を寿(ことほ)ぐ花で、花言葉は「しあわせを招く」とされているし、中国では貴重な色として崇拝するが、西洋では黄昏(たそがれ)、退廃、病気、死などを連想する不吉なものとされ、その花言葉は「悲しき思い出」である。ゲッケイジュの木は栄光のシンボルとして貴ばれるが、黄色の花が咲くと「不信」「裏切り」の意味をもつ。紫も日本では高貴な色とされているが、西洋では悲しみの意味をもっている。
 花の形状などによって特定の意味を与え、それによって意志を伝えたりしようとすることは日本でも行われた。花や木の小枝を添えて贈答する風習や、花に託して自分の意志を伝えたり、花の色に恋心を詠み込んだりすることは平安時代にもみられた。また、太田道灌(どうかん)が狩りで雨にあった際、民家に雨具の借用を請うたところ、乙女がヤマブキの一枝を差し出して蓑(みの)がないことを伝えた話は有名である。ただしヤマブキの花言葉はこうした故事とはかかわりなく、「崇高」「待ちかねる」とされている。日本人が古来愛してきたサクラは、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が富士山頂に天降(あまくだ)って種を播(ま)いて以来、国中に咲き乱れるようになったものであると伝え、また豊作の期待が込められた花でもあった。そして単にその外見的な美しさが愛されただけではなく、風雅・もののあわれなど日本の深い心を象徴する花であった。そのため日本での花言葉は「精神美」であり、ことにヤマザクラは「純潔」「淡泊」「高尚」「美麗」などの花言葉をもっている。
 現在、わが国で用いられている花言葉は、外国ことにヨーロッパのものが多い。しかし日本でも花に対する関心が弱かったわけではなく、開花によって季節の推移を測ることは各地で行われていた。また開花期に従って花の名を順に記し、それぞれの名所などをあげた花暦が近世にはつくられていた。[倉石忠彦]

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