苗村神社(読み)なむらじんじや

日本歴史地名大系 「苗村神社」の解説

苗村神社
なむらじんじや

[現在地名]竜王町綾戸

綾戸あやど集落の北に位置する。那牟羅彦なむらひこ神・那牟羅姫なむらひめ神を祀る東本殿、国狭槌くにのさづち命を祀る西本殿をそれぞれ中心とする独立した社地を有し、両社地の間を県道綾戸―東川ひがしがわ線が南北に通る。旧県社。西本殿の両脇に鎮座する八幡社十禅師じゆうぜんじ社など境内社九社(一〇座)を祀る。古くは苗村大明神とも称した。「延喜式」神名帳の蒲生がもう郡一一座のうちに「長寸神社」(ナカスノ・ナカニノ)が載る。寸の字を村の略字として長寸をナカムラと訓じ、これがナムラに転じたとして同社を当社東本殿に比定する説がある。一方、大永二年(一五二二)に建立された楼門勧進帳(社蔵)などによれば、安和二年(九六九)に大和金峯きんぶ山から苗村大明神が遷座したとされ、これが西本殿の草創と考えられている。また寛仁元年(一〇一七)から正月門松用の松苗を朝廷に献じることが恒例となったため、以後苗村の字をあてるようになったとも伝える(村田文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「苗村神社」の意味・わかりやすい解説

苗村神社
なむらじんじゃ

滋賀県竜王町所在の神社。延喜式内社で,苗村 33ヵ村の産土神 (うぶすながみ) として古来より崇拝された。オオクニヌシノミコト,コトシロヌシノミコト,スサノオノミコトを祀る。東西に分れそれぞれ本殿がある。西本殿は,徳治3 (1308) 年の造立,鎌倉時代末期の本殿建築の代表的遺構で,国宝

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デジタル大辞泉プラス 「苗村神社」の解説

苗村神社

滋賀県蒲生郡竜王町にある神社。“苗村”は「なむら」と読む。祭神は那牟羅彦神(なむらひこのかみ)、那牟羅姫神(なむらひめのかみ)(東本殿)、国狭槌尊(くにのさづちのみこと)(西本殿)。西本殿は国宝、東本殿、八幡社本殿などは国の重要文化財指定

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事典・日本の観光資源 「苗村神社」の解説

苗村神社

(滋賀県蒲生郡竜王町)
湖国百選 社/寺編」指定の観光名所。

苗村神社

(滋賀県東近江市)
湖国百選 社/寺編」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の苗村神社の言及

【竜王[町]】より

…北西端を中山道(現,国道8号線)が通り,鏡はその宿場であった。苗村(なむら)神社は旧苗村郷33ヵ村の総社で,国宝の西本殿をはじめ,多くの重要文化財をもつ。町の中央部を東西に走る名神高速道路に1981年竜王インターチェンジが開設された。…

※「苗村神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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