茂名(読み)もめい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「茂名」の意味・わかりやすい解説

茂名
もめい / マオミン

中国、広東(カントン)省西部の地級市。行政上は電白(でんはく)区と茂南(もなん)区を管轄し、信宜(しんぎ)など3県級市の管轄代行を行う(2016年時点)ため、南シナ海沿岸から省境の雲開大山山麓に至る地域を含む。人口747万1700(2010)。明(みん)、清(しん)の時代には高州府の治下にあったが、中華人民共和国成立後、この地に大量のオイルシェール(油母頁岩(ゆぼけつがん))が発見されてから、中国南部の原油生産地として発達した。華南海底油田の原油製油所がある。鉄道で石油積出し港の湛江(たんこう)と結ばれるほか、広州(こうしゅう)へは三水(さんすい)経由で鉄道が通じる。イヌ食文化のある地域としても有名。

[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年1月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「茂名」の意味・わかりやすい解説

茂名 (もめい)
Mào míng

中国南部,広東省の南西部にある新興工業都市。人口64万(2000)。雷州半島東側の付け根,鑑江の中流域に位置し黎湛鉄道(黎塘~湛江)の支線,河茂線(河唇~茂名)が通る。1959年にもと茂名県に属した公館・鰲頭(ごうとう)などの郷をあわせて市が設置された。周辺にはオイルシェールが豊富に埋蔵され,人造石油コンビナートのほか,火力発電所,麻紡績・製糸化学肥料の工場が建設された。周囲では陸稲サトウキビ,バナナ,サイザル麻,黄麻などを栽培。
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百科事典マイペディア 「茂名」の意味・わかりやすい解説

茂名【もめい】

中国,広東省南西部の新興工業都市。鑑江中流,河茂鉄路(河唇〜茂名)の終点に位置する。中国南部の重要な石油工業基地で,人造石油年産10万トン以上。茂名〜湛江油送管が設置されている。40万トン製油プラントのほか,火力発電,建材工業がある。石炭耐火粘土などの資源を持つ。中国の潤滑油輸出基地。鉄道が河唇,肇慶,広州,湛江などに通じており,三水から茂名までの三茂鉄路も新たに建設された。道路は広州,湛江などに通じている。1959年公館・金唐など6郷を合併して茂名市を設置した。281万人(2014)。

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