日本大百科全書(ニッポニカ) 「肇慶」の意味・わかりやすい解説
肇慶
ちょうけい / チャオチン
中国、広東(カントン)省中部西寄りの地級市。3市轄区、4県を管轄し、1県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口429万8200(2013)。珠江(しゅこう)本流の西江(せいこう)北岸に位置し、西江水運の要地で、広州(こうしゅう)、梧州(ごしゅう)、江門(こうもん)に航路が開かれている。付近で生産される農産物の集散地で、食品加工、化学肥料、農機具などの工業がある。地下資源としては金や玉石(たまいし)を産出する。また、付近で産出する石を利用した硯(すずり)は端渓(たんけい)とよばれる名品である。
市の北部の七星岩(しちせいがん)は小桂林(しょうけいりん)ともよばれる景勝地、保養地である。ほかに日本人入唐(にっとう)僧栄叡(ようえい)(?―749)の記念碑や、白雲寺がある鼎湖山(ていこさん)などの名勝に富む。市域を三茂線(三水(さんすい)―茂名(もめい))が通過し、水陸連絡の要地となっている。
[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年1月19日]