ゆでた物,つまり湯を利用して材料を熱処理した料理。〈ゆでる〉とほぼ同義の語には〈湯煮する〉〈ゆがく〉〈ゆびく〉〈ゆどる〉〈あおる〉などがある。デンプンの糊化(こか),タンパク質の凝固,組織の軟化,あく抜きなどをおもな目的として行われる。ゆで物はゆで卵,粉ふきいも,枝豆の塩ゆでなど,ゆでたあと簡単に調味することでそのまま料理となりうるものもあるが,多くは下調理として行われ,ゆでたものをさらにあえ物,煮物,揚物などに調理する。ホウレンソウはゆでてあく抜き後浸し物に,サトイモはゆでてぬめりを除いて煮物にするなどがその例である。ゆでるには,色,味などを悪くしないために,ふつう少量の塩を入れるが,ほかに,れんこん,ウドなどの色を白くあげたいときには食酢,たけのこのあく抜きには米ぬか,ワラビやゼンマイには重曹,内臓類の臭みをとるにはネギやショウガなどを加えたりする。また魚や鶏をゆで煮する場合にはブイヨンを用いることもある。〈ゆで物〉の語は《和名抄》に見られ,《延喜式》には〈茹菜〉の語があり,古くから現在の浸し物,お浸しと呼ぶ菜のゆで物料理の行われていたことが知られる。室町末期ころには〈いで鳥〉と呼ぶ料理の名が見える。ゆで鳥のなまったことばで,ガンやカモをだしを加えたしょうゆで煮たり,酒にぬかみそを加えたものでゆでて,しょうゆや酢で食べるとされている。
執筆者:松本 仲子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新