草墪(読み)ソウトン

デジタル大辞泉 「草墪」の意味・読み・例文・類語

そう‐とん〔サウ‐〕【草×墪/草×墩】

腰掛けの一種わらしんにして、高さ約40センチの円筒形につくり、表面にしきで包んだもの。平安時代宮中節会せちえ饗宴きょうえんの際に公家が用いた。

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精選版 日本国語大辞典 「草墪」の意味・読み・例文・類語

そう‐とんサウ‥【草墪・草墩】

  1. 〘 名詞 〙 宮中の座具一つ。藁(わら)を心(しん)にして、高さ一尺三寸(約四〇センチメートル)ほどにまるく作り、上を錦の布地で包んだ一種の腰掛。諸臣束帯の際の殿上の腰掛。女蔵人陪膳の座に用いる。〔延喜式(927)〕
    1. 草墪〈年中行事絵巻〉
      草墪〈年中行事絵巻〉
    2. [初出の実例]「理髪着威儀装束、居草墪、不例儀」(出典小右記‐永祚元年(989)三月二三日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「草墪」の意味・わかりやすい解説

草墪
そうとん

蒋(まこも)や藁(わら)を芯(しん)にして、布帛(ふはく)で包んで円筒形につくった腰掛。高さに違いがあり、『掃部寮(かもんりょう)式』には、1.3尺(約39センチメートル)と八寸(約24センチメートル)のがあり、天皇は表が錦(にしき)で、側面が薫(くん)(かおりぐさ)地(じ)、裏が緋絁(ひし)、大納言(だいなごん)は表と側面が藍(あい)染め、裏が紺の調布、五位命婦(みょうぶ)と蔵人(くろうど)が表と側面が青・白・橡(とち)色の摺文(すりもん)の絁(あしぎぬ)、裏は紺の調布とあり、節会(せちえ)のおりなど宴に参会した者が台盤に向かって、草墪に腰をかけている。

[郷家忠臣]

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