江戸時代、領内で産出される米穀の総量をいう。米以外の畑で収穫される麦、大豆、蕎麦(そば)などや耕作に使用されない屋敷地の分も米に換算して、草高に組み込んだ。年貢割付(わりつけ)状や年貢皆済(かいさい)目録などによくみられる呼称であり、本来は年貢賦課基準としての石高(こくだか)(とくに村高)をさすと考えられる。しかし、検地に基づく草高が実際の生産高と著しく乖離(かいり)するようになると、草高は制度上のものとして名目化した。たとえば、越後(えちご)国(新潟県)新発田(しばた)藩では、承応(じょうおう)年間(1652~55)の地改(じあらため)に際し、1反(たん)=360歩(ぶ)制を採用したうえ、取米(とりまい)高を付加税賦課の基準にする一方、従来の本高を草高と称して名目化させた。
[馬場 章]
江戸時代,大名の支配する領地の米穀の生産量。幕府が公式の用語として使用することはなかったが,諸藩で用いられることがあった。草は稲の意味といわれ,米以外の穀物生産も含めすべて米に換算される。ただし毎年の現実の生産量ではなく,検地や新田開発により変動する生産高で,実質的には内高(うちだか)と同額であったと思われる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…大名の場合,領知判物や黒印状によって将軍より与えられるもので,軍役賦課などの基準になり,大名の格式を決定づける要因となっている。 草高《地方(じかた)凡例録》に,〈本高のことは草高と唱へ,諸掛り物等ニハ用ひざる由なり〉とある。取米高を基準に掛り物が課せられる地域では草高は名目化されるが,通常は領内で収穫される米の総量を意味し,年貢賦課の基準となる石高である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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