草高(読み)クサダカ

デジタル大辞泉 「草高」の意味・読み・例文・類語

くさ‐だか【草高】

江戸時代領地内の総実収高。

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精選版 日本国語大辞典 「草高」の意味・読み・例文・類語

くさ‐だか【草高】

  1. 〘 名詞 〙 領内から産出する米の総高をいう。この総高のうち領主年貢として収納することのできる高を現石(げんこく)という。〔地方凡例録(1794)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「草高」の意味・わかりやすい解説

草高
くさだか

江戸時代、領内で産出される米穀総量をいう。米以外の畑で収穫される麦、大豆、蕎麦(そば)などや耕作に使用されない屋敷地の分も米に換算して、草高に組み込んだ。年貢割付(わりつけ)状や年貢皆済(かいさい)目録などによくみられる呼称であり、本来は年貢賦課基準としての石高(こくだか)(とくに村高)をさすと考えられる。しかし、検地に基づく草高が実際の生産高と著しく乖離(かいり)するようになると、草高は制度上のものとして名目化した。たとえば、越後(えちご)国(新潟県)新発田(しばた)藩では、承応(じょうおう)年間(1652~55)の地改(じあらため)に際し、1反(たん)=360歩(ぶ)制を採用したうえ、取米(とりまい)高を付加税賦課の基準にする一方、従来の本高を草高と称して名目化させた。

[馬場 章]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「草高」の解説

草高
くさだか

江戸時代,大名の支配する領地の米穀の生産量幕府公式用語として使用することはなかったが,諸藩で用いられることがあった。草は稲の意味といわれ,米以外の穀物生産も含めすべて米に換算される。ただし毎年の現実の生産量ではなく,検地や新田開発により変動する生産高で,実質的には内高(うちだか)と同額であったと思われる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「草高」の意味・わかりやすい解説

草高
くさだか

草は稲の意で,江戸時代,領内から産出する米の総額を呼んだ。領内の草高を集計した領内の総上がり高は領主が年貢賦課の対象とした実高 (内高) とほぼ一致した。幕府の公認の表高 (おもてだか) が固定的であるのに対し,草高は検地の打出しや耕地開発で増加する傾向にあった。

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旺文社日本史事典 三訂版 「草高」の解説

草高
くさだか

江戸時代,領内の土地から産出する米の総高
草高は検地によって決まる公的な石高と一致しない場合が多く,それより多額であった。幕府が使用したことはなく,地方で用いられたらしい。

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世界大百科事典(旧版)内の草高の言及

【石高制】より

…大名の場合,領知判物や黒印状によって将軍より与えられるもので,軍役賦課などの基準になり,大名の格式を決定づける要因となっている。 草高《地方(じかた)凡例録》に,〈本高のことは草高と唱へ,諸掛り物等ニハ用ひざる由なり〉とある。取米高を基準に掛り物が課せられる地域では草高は名目化されるが,通常は領内で収穫される米の総量を意味し,年貢賦課の基準となる石高である。…

※「草高」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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