荒壁(読み)アラカベ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「荒壁」の意味・わかりやすい解説

荒壁
あらかべ

小舞(こまい)下地(竹や貫(ぬき)を格子状に編んだ下地)を用いる左官工事において最初に塗り付けられる壁、すなわち下塗りをいう。まず小舞の片面から塗り、その完全乾燥を待って反対側から塗る。反対側からの塗り付けをとくに裏返しという。材料は、粘性のある砂混じり粘土(関東では荒木田土(あらきだつち)とよばれる)に切り藁(わら)(長さ3~9センチメートル)を混ぜ、水練りしたものであるが、この練り合せは最低7日間、高級工事では数か月にわたり繰り返し行う。この過程を水合(みずあわ)せという。塗り付けの施工は鏝(こて)塗りによるが、土蔵外壁のように厚付けをする場合には、同じ材料で土団子をつくり、手で小舞に打ち付ける。この作業は手打ちとよばれ、姫路(ひめじ)城の壁もこの方法でつけられていたことが知られている。中塗りからあとの施工は、以上の荒壁工程の完全乾燥を待って行う。

[山田幸一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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