荒島岳(読み)アラシマダケ

日本歴史地名大系 「荒島岳」の解説

荒島岳
あらしまだけ

大野盆地の東南に位置し、標高一五二三・五メートル。「荒島」の称は「延喜式」神名帳に「荒島神社」がみえ古くから山神の居ます山と考えられてきた。近世末期に成立した荒島山大権現略縁起(神明神社文書)によれば、「道臣の尊の孫物部の荒山の連公」の死後、里人が崇め祀ったところから「あら山」「あらし山」とよんだという。荒島大権現の本地は聖観音菩薩、垂迹は物部連公と伝える。また「深山木」に

<資料は省略されています>

山内の様子を記すが、一時期白山信仰の影響のあったことがうかがわれる。なお永享一二年(一四四〇)四月の春日社領越前国大野郡小山庄田数諸済等帳(天理図書館蔵)に「荒島之御神田」とみえる。

越前地理便覧」には佐開さびらき村の項に「荒島ケ嶽」とあり、慶長三年(一五九八)七月一八日の佐開村検地帳写(妙願家文書)の地字名にも「あら島」とみえ、麓村のなかでも佐開村が荒島岳と深い関係にあったことが推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「荒島岳」の意味・わかりやすい解説

荒島岳
あらしまだけ

福井県東部,大野市の中央部にある火山。標高 1523m。山頂に荒島神社があり,白山や遠く日本アルプスを望むことができる。東麓に九頭竜峡がある。奥越高原県立自然公園に属する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「荒島岳」の意味・わかりやすい解説

荒島岳【あらしまだけ】

福井県,大野盆地の南東にある山。標高1523m。大野富士とも呼ばれる。山頂には荒島大権現奥ノ院の堂があり,古くから信仰の山として崇められてきた。奥越高原自然公園に属し,日本百名山に選ばれている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android