大野市(読み)オオノシ

デジタル大辞泉 「大野市」の意味・読み・例文・類語

おおの‐し〔おほの‐〕【大野市】

大野

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日本歴史地名大系 「大野市」の解説

大野市
おおのし

面積:五四一・六六平方キロ

福井県の最東部に位置する。北は勝山市および石川県石川郡、東は岐阜県大野郡および同郡上ぐじよう郡、南東部は大野郡和泉いずみ村、西は足羽あすわ郡・今立郡、南は岐阜県揖斐いび郡・本巣もとす郡と接する。北西部の大野盆地を除く大半が山地で、北東に願教寺がんきようじ山、北にきようヶ岳、南東に荒島あらしま岳、南に屏風びようぶ山・能郷白山のうごうはくさん、西に銀杏峰げなんぽなど一三〇〇メートル以上の山々が連なる。その間を南東から北西に九頭竜くずりゆう川、南から北へ真名まな川、清滝きよたき川、赤根あかね川が流れ、北西部勝山市境辺りで合流、扇状地形の大野盆地を形成している。

〔原始〕

大野盆地内の縄文時代の遺跡は七ヵ所あるが、なかでも扇状地にある右近次郎うこんじろう遺跡は前期から後期まで続いた大規模遺跡で、住居跡や多数の土器・石器・骨角器などを検出した。また古墳時代・奈良時代・室町時代の遺物も含む複合遺跡である。佐開さびらき遺跡は河岸段丘上に位置する中・後期の遺跡で、住居跡一軒を検出した。ほかに中期のしがらみ遺跡・落合おちあい遺跡、後期の医王寺いおうじ遺跡、晩期の岩田いわた遺跡がある。

弥生時代から古墳時代にかけては方形台状墓や古墳が計一三七基確認され、その大多数は赤根川流域に位置する。御城山おしろやま古墳群三八基、犬山いぬやま古墳群一二基、中丁なかようろ古墳群一三基、稲荷山いなりやま古墳群九基、東稲場ひがしいなば古墳群八基、やまばな古墳群一九基、御茶おちやばな古墳群九基、等々である。墳形別では、方墳や方形台状墓九〇基、円墳四三基、前方後円墳一基、不明四基である。築造時期は多く六―七世紀である。山ヶ鼻古墳群六号墳は全長約三一メートルの大野盆地最大規模の、唯一の前方後円墳で、当地の首長墓と推定される。

〔古代〕

奈良・平安時代の遺跡は、赤根川流域を中心として、九頭竜川流域まで一一ヵ所報告されている。なかでも下黒谷しもくろたに経塚からは、保元二年(一一五七)二月銘の経筒一個と和鏡一一面、甕一個が出土している。太田おおたからは平安期平瓦が採集された。

大野の称は天平元年(七二九)一〇月二一日付平城宮出土の木簡に「大野郡」が初見。「和名抄」刊本では「於保野」と訓む。同高山寺本には大野郡の郷として大山おおやま・尾屋・資母しも出水いずみ大沼おおぬを載せるが、尾屋郷は毛屋けや郷のこととされ勝山市に比定される以外は当市域に比定される。刊本は大野郡として野田のた上家かずいえ川合かわい利刈とかり・毛尾・加美かみ・資母・出水・大山を記すが、このうち野田・上家・川合・利刈の四郷は高山寺本では足羽郡としている。


大野市
おおのし

2005年11月7日:大野市が和泉村を編入
【和泉村】福井県:大野郡
【大野市】福井県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大野市」の意味・わかりやすい解説

大野〔市〕
おおの

福井県東部,大野盆地を中心に,両白山地から流れ込む九頭竜川など多数の河川流域の広大な地域を占める市。東・南部で岐阜県に,北東部で石川県に接する。 1954年大野町,下庄町と上庄村,乾側村,小山村,富田村,阪谷村,五箇村の6村が合体,市制施行。 1970年西谷村,2005年和泉村を編入。市名は古代からの郡名による。盆地の西部に位置する中心市街地大野は中世に金森長近の3万石の城下町となった。大野城亀山公園がある。清滝川の扇状地端にあるため湧水に恵まれ,道路網が整然とし,小京都といわれる。北部には経ヶ岳からの火山泥流による塚原野六呂師高原がある。機業が盛ん。発電所が多く,九頭竜ダムは観光地としても有名。打波川上流の谷には鳩ヶ湯温泉がある。九頭竜川上流の九頭竜峡は渓谷美で知られる。本願清水イトヨ生息地,専福寺の大ケヤキ,アラレガコ生息地は国の天然記念物。宝慶寺の旧橋本家住宅は国指定重要文化財。市域の一部は白山国立公園奥越高原県立自然公園に属する。 JR越美北線,国道 157号線,158号線,476号線が通る。面積 872.43km2。人口 3万1286(2020)。

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