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落下運動 らっかうんどう motion of a falling body

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世界大百科事典 第2版の解説

らっかうんどう【落下運動 motion of a falling body】

広義には放物運動を含めるが,ふつうは物体が重力の作用で鉛直下向きに行う運動をいう。重力の大きさは物体の質量mに比例してmgとかけるので(gは重力の加速度),運動の法則により,重力だけで生ずる加速度はすべての物体に共通に下向きにg=9.8m・s-2である。重い物ほど速く落ちるというアリストテレスの説の誤りを示すために,ガリレイがピサの斜塔で実験して見せたという伝説は有名である。空気の抵抗がなければ,初速V0で落とした物体がそれからt秒後にもつ下向きの速度はVV0+gtであり,その間の落下距離はV0t+1/2gt2で与えられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

落下運動
らっかうんどう

落体」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

落下運動
らっかうんどう

地上のすべての物体は、I・ニュートン万有引力によって地球の中心に向かう力の作用を受けており、空気の抵抗などを無視すると、一定の加速度(重力加速度という)で落下する。これは万有引力による加速度運動であり、自由落下運動ともいう。空間に静止した状態から自由に落下させた場合、tだけ時間を経たあとで物体がもつ速さは、
  dv/dt=加速度=
から、これを積分してvtであり、落下した高さ(距離)は、
  dh/dt=速さ=vt
から、ht2/2で与えられる。これを落体の法則という。ここで落体が獲得する速さおよび落下する高さは、物体の質量に無関係である。昔、アリストテレスは、落体の速さは落体の質量に比例すると考えたが、のちにガリレイは、ピサの斜塔(ピサ大聖堂)で行った実験をもとにこれが誤りであることを示し、前述の法則を確立した。
 雨滴などの落下を考える場合、実際には空気抵抗が働き、この法則からずれる。速さがあまり大きくないとき、空気抵抗は速さに比例することが知られている。この場合、落下速度が増すほど抵抗が大きくなり、ついには重力を打ち消すことになる。このとき、雨滴に働く外力は全体としてゼロとなり、速さは一定となるはずである。これを終速度という。
 具体的には、雨滴の質量をm、空気抵抗の比例係数をαとすれば、ニュートンの運動方程式は、
  mdv/dtm-α・v
であるから、加速度すなわち力がゼロとなる速さvm/αで与えられる。終速度は、十分時間が経過したあとで到達すると考えられるが、実際そのことは前記の微分方程式を積分して確かめることができる。任意の時刻tにおける速さは、
  vm/α-(m/α-v0)・e-α・t/m
で与えられる。ただし、v0は、時刻ゼロにおける速さ、eは自然対数の底で2.71828……である。時間が十分たてば(tm/α)、右辺の第2項はゼロに近づき、速さは前記の終速度に近づく。[阿部恭久]

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世界大百科事典内の落下運動の言及

【運動】より

…強制運動は,他から直接運動力を与えられ,むりやりに動かされて生ずる運動であって,月下界の運動のほとんどすべてがこれに属する(天上界には強制運動はない)。こうして天体の位置運動は,多くの等速円運動を組み合わせて記述する,落下運動は宇宙の中心たる地球(の中心)に向かって起こる,などというギリシア的な宇宙論の基本了解が生まれる。 もとより,強制運動と自然運動の区別も,ギリシアの自然観のなかで,とくに生命体を照準したときには微妙にゆれ動く。…

【物理学】より

… 他方,月下界では,運動は2種類に分けられる。一つは自然運動としての落下運動である。すなわち天体の場合と同様,その物体を構成する要素の本性に従って起こるものであり,天体を構成する完全な原質エーテルに対して,月下界の物質は土,水,空気,火から構成されているため,土,水,空気が共有する宇宙の中心へ向かう本性に従って,火を除くすべての地上的物質は下方に落下することになる。…

※「落下運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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