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葵の上 あおいのうえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

葵の上
あおいのうえ

源氏物語』の「の巻」の女主人公の名およびこれに基づく演劇,音楽の曲名。「葵上」とも書く。
(1) 能 近江猿楽などの先行曲を世阿弥が改作。四番目物。シテは六条御息所 (みやすんどころ) の怨霊。葵の上は小袖のみによって擬せられる。前段の見せ場を『枕の段』という。梓 (あずさ) の出の囃子に特色がある。
(2) 地歌 木の本屋巴遊作曲。三下りの謡物。同趣の曲に『梓』がある。舞の地にも用いる。
(3) 山田流箏曲 山田検校作曲。四つ物の一つ。謡曲の詞章をとるが,地歌とは異なる。
(4) 河東節 安政5 (1858) 年9世十寸見河東,5世山彦河良らによって初演。 (3) を取入れたもの。
(5) 一中節  1894年3世宇治紫文斎作曲。
(6) 長唄  1905年幸堂得知作詞,4世吉住小三郎,3世杵屋六四郎作曲。
(7) 長唄 杵屋栄蔵作曲。
(8) 戯曲 榎本虎彦作のものは 07年 10月歌舞伎座初演。岡鬼太郎作のものは『源氏物語・葵の巻』と題して 30年3月歌舞伎座初演。瀬戸英一作の新派劇『花柳巷談・葵の上』は 33年8月東京劇場初演。三島由紀夫作のものは 55年7月文学座初演。

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デジタル大辞泉の解説

あおいのうえ〔あふひのうへ〕【葵の上】

源氏物語の主人公の一人。光源氏の最初の妻。六条御息所(みやすどころ)生き霊に苦しめられ、夕霧を出産後、急死。
謡曲。四番目物。源氏物語による。世阿弥古作を書き改めたもの。
箏曲。山田流。山田検校作曲。「四つ物」とよばれる奥歌曲の一つ。
(葵上)三島由紀夫の戯曲。をモチーフとする1幕の近代劇。女性の嫉妬が主題。昭和29年(1954)「新潮」誌に発表。翌年、文学座が初演。「近代能楽集」の作品のひとつ。

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大辞林 第三版の解説

あおいのうえ【葵の上】

○ 源氏物語の作中人物。光源氏の正妻。夕霧の母。六条御息所みやすどころの生き霊に悩まされて急死する。
能楽の曲名。四番目物。古作を世阿弥が書き改めたもの。源氏物語を典拠とし、六条御息所の生き霊をシテにとり、嫉妬しつとの執念を主題とする。のちに、浄瑠璃・箏曲そうきよく・長唄などにも取り入れられた。

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