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薩摩切子

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

薩摩切子

1851(嘉永4)年、薩摩藩主に就いた島津斉彬が西欧列強に対抗し近代化を推し進める「集成館事業」の一つとして始めた。透明なクリスタルガラス色ガラスを被(き)せ、カットすることで「ぼかし」の美しさを堪能できる。斉彬の死後、1863(文久3)年の薩英戦争集成館焼失。1877(明治10)年の西南戦争前後に技術は途絶えたが、1985年に復刻された。

(2011-02-12 朝日新聞 朝刊 鹿児島全県 1地方)

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百科事典マイペディアの解説

薩摩切子【さつまきりこ】

薩摩の島津家で作られた切子ガラス。19世紀中ごろに島津斉興(なりおき)が江戸のガラスの熟練工四本亀次郎を招いて薬瓶(びん)を作らせたのに始まる。島津斉彬(なりあきら)の代に紅色透明ガラスが発明され,薩摩の紅ガラスとして好評を博した。
→関連項目鹿児島市立美術館カット・グラスガラス工芸

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デジタル大辞泉プラスの解説

薩摩切子

鹿児島県で生産されるガラス工芸品。透明なガラスに赤や青の色ガラスを被せ、上からカットして模様を切り出す。江戸時代末期の創始。その後生産が途絶えたが近年再興され、県の伝統的工芸品に指定されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

さつまきりこ【薩摩切子】

江戸末期,鹿児島でつくられたカット・グラス。薩摩藩主島津斉興は1846年(弘化3)製薬を始めたが,それにはガラス器が必要であるとして江戸からガラス工四本(しもと)亀次郎を招いた。51年(嘉永4)28代藩主斉彬が城内で紅ガラスの製法を研究させ,数百回の実験の後,ついに銅による紅ガラスの製造に成功した。また青,紫,黄など各色のガラスで器物をつくり好評を博した。56年(安政3)ガラス製造所は市外の磯に移り,拡張され,カット・グラス用のクリスタルガラスのみならず,板ガラスの製造にも成功した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

薩摩切子
さつまきりこ

カットガラス」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

薩摩切子
さつまきりこ

江戸時代のガラス器の一種。切子とはカットの意。1846年(弘化3)秋、薩摩(鹿児島県)の藩主島津斉興(なりおき)が、製薬のためにガラス器、ガラス瓶などの製造を必要とし、江戸からガラス職人、四本(しもと)亀次郎を招いて工場を開いたのに始まる。島津斉彬(なりあきら)の代になって藩の生産振興のために集成館が建てられ、西欧の技術をもとに諸工業の近代化が進められたが、その一環としてヨーロッパのガラス製法が導入され、薩摩切子が生まれた。ガラスは鉛ガラスで、銅赤ガラスの場合、比重は3.5前後。透明なガラス層に、赤紅色あるいは青、紫などのガラスをかぶせ、表層からカットして模様を表す場合が多い。製品は、皿、鉢、碗(わん)、杯、瓶などで、藩主をはじめとする上流階級の需要にこたえる一方、諸国の藩への贈答品として使われ、諸藩からの注文も増加した。薩英戦争(1863)の際に集成館が被災し、また斉彬が早逝したために短命に終わったが、その芸術性は高く評価されている。[友部 直]

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事典 日本の地域ブランド・名産品の解説

薩摩切子[ガラス]
さつまきりこ

九州・沖縄地方、鹿児島県の地域ブランド。
鹿児島市・南さつま市・薩摩郡さつま町で製作されている。透明なガラスに色ガラスを被せてカットしたクリスタルガラス。ぼかしと呼ばれる高度なカット技法による美しいグラデーションが特徴。幕末、薩摩藩主・島津斉彬が磯の集成館に工場を建設して本格的なガラス製造が始まった。紅・藍・金をまぜた鮮赤色の切子は評判となったが、1863(文久3)年の薩英戦争で集成館が焼失し、以来幻のガラスといわれていた。1985(昭和60)年、鹿児島市磯で復活。色は紅・藍・金赤に緑・黄・紫・瑠璃を加え7色となっている。鹿児島県伝統工芸品。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

世界大百科事典内の薩摩切子の言及

【カット・グラス】より

…日本のカット・グラスは,江戸時代中期以後,これらのヨーロッパ製品の刺激のもとに発達した。江戸切子,薩摩切子が代表的なものである。【友部 直】。…

※「薩摩切子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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