薩摩糸雛(読み)サツマイトビナ

デジタル大辞泉 「薩摩糸雛」の意味・読み・例文・類語

さつま‐いとびな【×薩摩糸×雛】

糸雛の一。二つ折りまたは三つ折りにした厚紙浦島乙姫高砂じょううばなどを絵模様に描いたもの。頭髪麻糸色糸で作り、後方に垂らした。

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精選版 日本国語大辞典 「薩摩糸雛」の意味・読み・例文・類語

さつま‐いとびな【薩摩糸雛】

  1. 〘 名詞 〙 紙雛一つ。顔と髪とは麻糸や色糸でこしらえ、衣装は二つまたは三つ折りの厚紙を用い、そこに高砂の尉・姥、浦島・乙姫など、それぞれ男女の絵模様を描いたもの。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「薩摩糸雛」の解説

薩摩糸びな[人形・玩具]
さつまいとびな

九州・沖縄地方、鹿児島県の地域ブランド。
鹿児島市で製作されている。江戸時代初期に始まったという。戦前まで女子が生まれた家に贈る習わしがあり、桃の節句には贈られた糸びなを飾り並べた。薩摩糸びなの本体は一本の割竹。この割竹を首、麻糸を髪に見立て、顔はない。着物幅広の紙にきらびやかな垂れ絵を描き、絵柄は男女のペアになっているものが多い。襟や衣は紙や布を重ねてつくられており、朱や緑・金泥を使った色彩は、美しく華やかである。鹿児島県伝統工芸品。

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