薪を抱きて火を救う(読み)タキギヲイダキテヒヲスクウ

デジタル大辞泉 「薪を抱きて火を救う」の意味・読み・例文・類語

たきぎいだきてすく

《「戦国策」魏策から》薪を抱いて、火を消そうと火元に近づく。害を除こうとして、かえって害を大きくすることのたとえ。
[類語]贔屓ひいきの引き倒し親方思いの主倒し勾張こうばり強くして家を倒す火を以て火を救う薬が効き過ぎる情けがあだ信心過ぎて極楽を通り越す礼煩わしければ則ち乱る

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精選版 日本国語大辞典 「薪を抱きて火を救う」の意味・読み・例文・類語

たきぎ【薪】 を=抱(いだ)きて[=以(もっ)て]火(ひ)を救(すく)

  1. 害を除こうとする行為が反対に害を助長する結果になるたとえ。非常に危険な逆効果を生むたとえ。〔書言字考節用集(1717)〕 〔戦国策‐魏策・安釐王〕

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故事成語を知る辞典 「薪を抱きて火を救う」の解説

薪を抱きて火を救う

災いを切り抜けようとして、かえって災いを大きくしてしまうことのたとえ。

[由来] 「戦国策策」に出て来るエピソードから。紀元前三世紀、中国の戦国時代のこと。魏という国がしんという国と戦って形勢が悪く、領地を割譲して和平を結ぼうと考えました。王は、だんかんすうという将軍使者として派遣しようとしましたが、ある大臣が、王に向かって次のように告げます。「段干崇は秦に取り入って、あわよくば秦に召し抱えてもらおうと考えています。召し抱えてもらいたがっている者が、領地を手土産にして、領地を欲しがっている国へ行くのですから、我が国のことがないがしろにされるのは当然です。これは、『薪を抱きて火を救う(燃えやすい薪を抱えながら、火事を消そうとする)』ようなものです」。そう聞かされた王は、段干崇を派遣するのを取りやめたということです。

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ことわざを知る辞典 「薪を抱きて火を救う」の解説

薪を抱きて火を救う

たきぎを抱えたままで火を防ぐ。害を除こうとして、むしろ害を助長する危険をおかすことのたとえ。非常に危険な逆効果を招くたとえ。

[解説] 「戦国策―魏策・安釐王」にあることば。

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