藍島(読み)あいのしま

日本歴史地名大系 「藍島」の解説

藍島
あいのしま

[現在地名]小倉北区藍島

うま島の北西響灘にある島。現若松わかまつ区の海岸から約五キロで、南北に長く、面積〇・六八平方キロ、最高所二四・四メートル。古くは阿閇あべ島と称したとされ(豊前志)、「日本書紀」仲哀天皇八年正月四日条にみえる「阿閉嶋」を当島に比定する説がある。元和四年(一六一八)長門国向津むかつ(現山口県油谷町)の両羽(海士屋)十右衛門が細川忠興から藍島周辺を漁場とすることを許され、島に住み着き、同五年城下の生肴払底につき御肴御用聞を命じられたという。のち自らは城下西魚にしうお町に移り、当島には弟の源蔵を置いて海士の支配をゆだねた(「藍島由緒書」藍島資料)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藍島」の意味・わかりやすい解説

藍島
あいのしま

北九州市若松区の沖合い約9キロメートルの響灘(ひびきなだ)にある小島。北九州市小倉北区に属する。「あいしま」ともいう。長さ約2キロメートル、幅約500メートルの南北に細長い島で、面積は0.68平方キロメートル。古第三紀層からなる低い台地状の島で、最高点24メートル、小入り江に富み暗礁が発達しており、磯(いそ)付き漁場として利用されている。110戸が主として沿岸漁業に従事しており、農業畑作を中心に細々と行われている。島の開発は17世紀に始まり、藩政時代には小倉藩遠見番所が設置されていた。遠見番所旗柱台は県の文化財に指定されている。紫川河口の小倉港から市営の定期船が1日3往復、馬島を経由して、中心集落大泊(おおどまり)に就航している。人口309(2009)。

[石黒正紀]

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デジタル大辞泉プラス 「藍島」の解説

藍島

福岡県北九州市若松区の沖約9キロメートルの響灘に位置し、筑前諸島に属する島。「あいのしま」と読む。面積約0.68平方キロメートル。江戸時代には密貿易船を見張るため、小倉藩の遠見番所が置かれた。漁業が盛ん。近年では“猫の島”として知られ、観光客が集まる。

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