藍絵(読み)アイエ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藍絵」の意味・わかりやすい解説

藍絵
あいえ

浮世絵版画の用語。藍摺(あいずり)あるいは藍摺絵ともよばれる。幕末に流行したもので、藍一色の濃淡か、藍を画面構成の主色とし、わずかに紅などを用いて摺刷(しょうさつ)された錦絵(にしきえ)のこと。記録によると、1829年(文政12)ごろから版行され始めたとされるが、流行したのはやや遅れて、天保(てんぽう)年間(1830~1844)に入ってからである。この藍絵流行の原因は、当時国外から輸入され始めた顔料ベルリン藍(プルシアンブルー)の目新しさによるものと思われ、渓斎英泉、歌川国貞ら、この時期の多くの浮世絵師が用いている。とくに葛飾北斎(かつしかほくさい)の『冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)』(46枚揃(そろ)い)には、多くみいだせる。

[永田生慈]


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