朝日日本歴史人物事典 「藤原成子」の解説
藤原成子
鎌倉前期の女房。後堀河天皇の乳母。従二位。宣旨二品,内裏二品,また単に二品とも呼ばれた。後白河院の近臣の権大納言藤原成親の娘で,従三位持明院基宗(後堀河天皇の誕生以前に死亡)の妻。承久の乱(1221)後,内裏の奥向きのことを取り仕切って権勢を振るい,乱の前に強大な権勢を有した卿二位の後身と評された。かつて卿二位が広大な邸宅を構えた二条町に住んでいたことなどからも,卿二位によく似た存在だったことがわかる。また後堀河の母北白河院(藤原陳子)の側近でもあり,皇女の利子内親王(式乾門院)も後見した。娘の宗子(藤原実宣の妻,のち大炊御門家嗣の妻)も後堀河の乳母であり,その皇嗣の四条天皇の乳母ともなった。
(秋山喜代子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報