コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

藤原秀能 ふじわらの ひでよし

美術人名辞典の解説

藤原秀能

鎌倉前期の武士・歌人。秀宗の子。法名如願。初め源通親に仕え、16才で後鳥羽北面の武士となり、左衛門尉・検非違使尉などを歴任した。一方、歌才後鳥羽上皇に認められ、『新古今集』撰集の時に和歌所寄人の一人となった。『新三十六人撰』作者の一人で十首とられている他、『新古今集』以下の勅撰集に七十九首入っている。承久の乱後は熊野に出家した。仁治元年(1240)歿、57才。

出典 (株)思文閣美術人名辞典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

藤原秀能 ふじわらの-ひでよし

1184-1240 鎌倉時代の武士,歌人。
元暦(げんりゃく)元年生まれ。藤原秀康の弟。後鳥羽(ごとば)院の北面の武士。元久2年(1205)「新古今和歌集」撰進の和歌所寄人(よりゅうど)にくわえられる。承久(じょうきゅう)の乱後は出家,如願(にょがん)と称した。勅撰集には「新古今」以下に80首がはいり,「遠島御歌合」にも出詠。延応2年5月21日死去。57歳。名は「ひでとう」ともよむ。家集に「如願法師集」。
【格言など】夕月夜(ゆふづくよ)しほ満ちくらし難波江(なにはえ)の芦の若葉を越ゆるしら波(「新古今和歌集」)

藤原秀能 ふじわらの-ひでとう

ふじわらの-ひでよし

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典の解説

藤原秀能

没年:仁治1.5.21(1240.6.12)
生年:元暦1(1184)
鎌倉時代の歌人。「ひでとう」とも。河内守藤原秀宗の子。秀宗は和田一族庶流の出身か。初め源通親に仕え,16歳で後鳥羽院北面の武士となり,左衛門尉,検非違使尉などを歴任,武人として数々の功績を立てた。同時にその歌才を後鳥羽上皇に認められ,急速に歌人的成長を遂げ,院歌壇の常連となり多数の歌合に出詠。和歌所寄人に任ぜられ,『新古今集』に17首入集。うち12首が後鳥羽上皇により選入されたものである。が,承久の乱時,兄秀康,弟秀澄が院方の総大将として戦い敗死したのに対し,秀能の足跡はなく乱への参加は疑わしい。乱後出家,如願と号し,『遠島御歌合』や西園寺家の歌会などに出詠している。秀能は父母共に関東の有力御家人の家柄であり,秀能自身北条氏,三浦氏とも親密であった一方,後鳥羽上皇に近臣歌人として寵愛され,秀能は乱後も上皇を思慕し続けた。秀能およびその一族の人々の数奇な生涯は興味深い。家集『如願法師集』は,900首余を収める。<参考文献>田淵句美子「承久の乱後の藤原秀能とその一族」(『古典和歌論叢』)

(田渕句美子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

藤原秀能
ふじわらのひでよし

[生]寿永3(1184)
[没]延応2(1240).5.21.
鎌倉時代前期の歌人。「ひでとう」とも読む。河内守秀宗の子。後鳥羽上皇の北面の武士。出羽守従五位上。早くから歌才を認められ,歌合,歌会の類に参加,和歌所寄人に加えられた。承久の乱の際,追手の大将とされたが敗れ,熊野に入って出家。法名,如願。家集『如願法師集』 (3巻,1240) は 900首余を収める。『正治二年第二度百首』 (1200) ,『最勝四天王院障子和歌』 (07) ,『道助法親王家五十首和歌』 (18) の作者の一人。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

藤原秀能
ふじわらのひでとう
(1184―1240)

鎌倉時代の歌人。「ひでよし」とも読む。父は河内守(かわちのかみ)秀宗(ひでむね)、母は伊賀守源光基(みつもと)の女(むすめ)。土御門通親(つちみかどみちちか)家に仕え、後鳥羽院(ごとばいん)の北面の武士から検非違使(けびいし)兼出羽守(でわのかみ)(じゅ)五位上になる。承久(じょうきゅう)の乱に敗れ熊野(くまの)で出家。如願(にょがん)法師という。歌人としては、1201年(建仁1)18歳ごろから後鳥羽院の近従として歌壇に参加し、『新古今集』撰進(せんしん)の和歌所(どころ)寄人(よりゅうど)に追加され、「建仁(けんにん)元年八月三日和歌所影供歌合(えいくうたあわせ)」「同十二月二十八日石清水社(いわしみずしゃ)歌合」「元久(げんきゅう)元年(1204)春日社(かすがしゃ)歌合」に出席し、『新古今』の最新鋭的存在。後の「道助法親王(どうじょほっしんのう)家五十首」や「遠島(えんとう)歌合」に出詠。家集は『如願法師集』。[有吉 保]
『藤平泉「承久乱前後の藤原秀能の和歌活動」(『日本大学語文』所収・1985.6・日本大学国文学会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

藤原秀能の関連キーワード延応